Terra Classic(LUNC)

長期貯蓄 & 買い戻しによる「USTCリペグ」のアイデア:X-fileperseek

長期貯蓄 & 買い戻しによる「USTCリペグ」のアイデア:X-fileperseek

※この記事は、8.8万人以上のチャンネル登録者を有するYouTuberでありながら、データアナリスト・デザイナー・投資家などの顔も持つX-fileperseek氏(@Xfile63335200)が2022年12月16日に公開した提案『USTC Repeg idea - Long-term saving & Buyback trade(USTCリペグのアイデア:長期貯蓄 & 買い戻し取引)』の内容を日本語訳した記事となります。

提案の要点

  • Tax BurnでLUNC価格が上昇しない理由を説明
  • 今のバーン戦略に一工夫「長期貯蓄+買い戻し」
  • この方法は余分なコストがかからず、開発も比較的容易

LUNCのTax Burn:価格が下がり続けるのはなぜ?

私はどの開発チームにも所属していません。今回の提案は「USTCリペグ計画案」の1つであり、多くの専門家の方の協力を得ながら更なる議論を行う必要があります。

現在、私たちTerra Classic(LUNC)のコミュニティはオンチェーン取引で0.2%を税金として支払っています。そのうちの50%がバーンに使用されており、すでに500億LUNC以上がバーンされています。

しかし、LUNCの市場価格は3ヶ月前と比較して徐々に下がってきています。流通量が減っているのになぜ価格が下がり続けるのでしょうか?この答えを探すためには、Terraform Labs(TFL)が過去に構想していた「アルゴリズムを用いたステーブルコインの構造」に注目する必要があります

彼らはコインの総流通量ではなく「コインの市場価格」に基づいてアルゴリズムを実装しました。彼らはマーケットメーカー企業と提携して「Automation Market Trade System」を用いてUST価格を1ドルに維持していました。

市場価格を調整できたのは、彼らが市場での売買アクションを直接実装したからです。

USTCリペグのイメージ

コインの時価総額は「コインの市場価値の合計」です。しかし、この価格は幻想のようなもので、特定のコインの100%全てを保有しているからといって、その時価総額と同じ金額の現金に変えれるわけではありません。

結局、コインの価格を決めるのは「需要と供給の平均値」です。コインの値段はアダム・スミスの「見えざる手(*1)」の理論で決まります。つまり、コインがいくらバーンされても市場に直接影響を与えることはありません。なぜならコインのバーンは"市場の外"で行われるからです。

(*1)アダム・スミスの見えざる手:「市場経済において、各個人が自己の利益を追求すれば、結果として社会全体において適切な資源配分が達成される」とする考え方

USTC総発行量の50%がバーンで焼却処分されたとしても価格は2倍にはなりません。価格を決めるのは市場参加者であり、マーケットメーカーだからです。

だからこそ私は、今のTax Burn構造にもうひと工夫加えて「市場での買い戻し」の仕組みを導入すべきだと考えています。

時間を活用した「長期貯蓄 & 買い戻し」作戦

テスラ社の自動運転車両がカメラ映像で情報識別している画像

自動運転機能付き電気自動車で有名なテスラ社は、同社の完全自動運転向けソフトウェア「FSD(Full Self Drive)」を実装する際に、LiDARセンサーを使用せずカメラのみで自動運転をプログラムしていました。

イーロン・マスク氏は、2次元の情報で3次元を識別するために「時間」の概念を応用しました。このように「時間」は"不可能を可能にする魔法の道具"となるのです。

LUNCコミュニティは現在、換金可能な資産を持っていません。ですが、USTCのリペグを実現するためには莫大な資金が必要なので、ここで「時間のアイデア」を応用する方法を思いつきました。

考え方はとてもシンプルです。

例えば、毎日$100をもらっているとします。毎日使っていたら高価なものは買えませんが、1年貯金すれば$36,500も貯まるので、もっとできることが増えますよね?

これと同じように、今集めているLUNCやUSTCを直接バーンアドレスに送るのではなく、BUSD・USDT・BTCなどといった他の仮想通貨に交換するようにして、それらの交換したコインは別のプールに保管するようにします

その後は、スマートコントラクトで設定された一定の条件が満たされた場合に、このプールのステーブルコインを使って、市場で取引されているLUNCやUSTCを購入し、すぐにバーンアドレスに送るようにするのです。

最終的には今と同じように全ての税金がバーンされることになりますが、前者と後者では「市場への影響力」に大きな差があります。

X-fileperseekが提案するUSTCリペグアイデアのイメージ

LUNC/USTC市場への影響の違いについて

  • コインを売却する場合は、LUNC / USTCで相場に影響を与えないようリアルタイムで長期的にステーブルコインを売却し、スリッページを最小限に抑える
  • コインを購入する場合は、市場の取引板に掲載されているコインを買うことで市場に強い買い圧力を加え、市場価格を上昇させる

これはクジラ(仮想通貨の大量保有者)がゆっくりコインを買って利益を出しているようなイメージです。クジラは売却によって利益を出していますが、私たちは購入によって価格上昇の圧力を高めます。

この買い圧力のもと、市場価格の平均が5%以上上昇したら買いを止め、残りのサードパーティ資産は準備金として利用するか、次の購入に備えるために使用します。

コインは一定の資金が集まったタイミングで購入し、売買はランダムなタイミングで実施します(先物・信用取引業者に狙われる可能性があるため)

これを長期間繰り返せば、かなりの量のサードパーティ資産が備蓄されることになるので、その資産でUSTCの価値を保証することができます。

オフチェーン資産を用いた「3本柱」の重要性

今のUSTCはステーブルコインではないと認めざるを得ません。コインの価値を評価するのは市場参加者で、結局のところは、USTCのリペグには十分な準備金が必要なのです。

「コインのバーン」という単純な作業でドルの価値を作ることはできません。TFLがなぜ LFG(Luna Foundation Guard)を設立したのかを理解する必要があります。

二本足構造は簡単に崩れます。なぜ三脚が三本足なのかを理解する必要があります。物理的にも数学的にも「3」という数字は非常に安定した数字なのです。そして3本目の脚は、オンチェーン資産ではなく「オフチェーン資産」で作らなければならないのです。

アメリカ以外の国が外貨準備金を持っているのもそれと同じ理由です。金融経済学の内容は膨大すぎるので、今回の文章では説明しきれないことをご理解ください。

また、この提案は「余分なコストをかけずに実現でき、開発もそれほど難しくない」という利点があります。Binanceのサポートがあれば、より実現しやすくなるかと思います。

ここまで読んでいただけたことに感謝します。ありがとうございました。

『USTC Repeg idea - Long-term saving & Buyback trade』の原文はこちら

Terra Classicコミュニティメンバーの考察

日本のTerra Classic(LUNC)コミュニティメンバーであるr_sugimoto(@rsugimoto4)氏は、今回の提案の内容や懸念点について次のように語っています。

内容は一言で言えば『ドル円相場で発動した日銀砲の為替介入をLUNCにも実装しようぜ?』っていう提案なので、いいアイディアだと思います。いままでのバーンはただやみくもに燃やしてただけなのでとても非効率でした。このアイデアは『更にショートのロスカットも利用しますよ』というアイディアなので、LUNCの価格上昇に効果的だと思います。

ただ、個人的に懸念してるのは『発動後にクジラにビッグショート仕掛けられたらどうなるんだ?』みたいな点です。ただボラティリティーが高くなるだけで、美味しい思いするのは結局ハイレバトレーダーだけなんじゃないの?といった懸念はありますね。

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