Terra Classic(LUNC)

LUNC(Luna Classic)のBURNと再構築:Edward Kim

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Burn and Rebuild Luna Classic

※この記事は有名なTerraコミュニティメンバーのEdward Kim(エドワード・キム)氏が2022年9月29日に公開した記事『Burn and Rebuild Luna Classic(Luna Classicのバーンと再構築)』の内容を日本語訳した記事となります。

LUNC(Terra Luna Classic)のBurnと再構築

9月15日、提案4661 が99.88%の「賛成」で可決され、オンチェーン での全取引に1.2%のTaxを設定してバーンすることが可能となりました。

このパラメータは、9月20日にブロックチェーンの次のエポックで正常に起動され、それ以来、我々は過去1週間で20億以上ものLUNCをバーンしました。

中央集権型取引所(CEX)や分散型アプリケーション(dApps)がこの変化に対応していく中で、私たちはその後のバーンを継続的に監視して、その結果を共有します。しかし注目すべきこと、そして祝うべきことは「Luna Classicが正式にデフレになっている」ということです。

画像:https://terraclassic.stakebin.io/terra/supply

私たちはこれまでに「v22のインストール」や「1.2% Tax Burnの実現」など、いくつかの大きな節目を通過してきました。そして、緊急事態の状態から再構築の段階へと移行することができました。

私たちが取り組んでいる「3つの大きな目標」は以下の通りです。

ここからそれぞれ説明していきます。

Algorithmic Fungible Token(AFT)の再構築

Alex Forshaw(@4lex_4sh4w)が指摘するように、過去のTerraスワップメカニズムは、18ヶ月の間にLUNAの供給量を約50%減らすことができました。

以前のシステムには明らかな欠陥(LUNAのハイパーインフレとUSTの崩壊)がありましたが、それでも、総供給量を劇的に減らすには最善策であると思われます。

マーケットスワップの再構築にはいくつかの段階がありますが、その中でも最も重要なポイントは、AFT(※USTCのようなアルゴリズム型トークン)を$1ドルにリペグするための負債から株式へのスワップです。

多くの方が政府による「救済措置」という言葉を聞いたことがあると思いますが、これは「どこかの団体が介入してツケを払う」ということを意味します。外部の投資家や団体に救済を求めることもできますが、その場合コミュニティは好き・嫌いに関わらずその投資家・団体に従うことになります。

おそらくチェーンとAFTの将来に関する決定はその団体に委ねられることになり、決定権や権力が集中することになるでしょう。

したがって、理想的なのはコミュニティの誰もが負担を負うことができる「Tax Burn」のようなものです。このプロセスには「一定割合の希薄化」または「コミュニティの資金調達」が必要ですが、AFTをすぐに$1に再調整し、最も重要なこととして、AFTの実質的な即時担保を提供します。

債務再編の時点では、マーケットスワップは引き続き無効になります。Forshawが率いるリペグチームは、デススパイラルが再び起こる確率を劇的に減らすために、大幅に強化された資本管理システムに取り組んでいます。

一方、大規模なオンチェーンやプログラマティックリザーブは、約$0.5の出来高加重平均価格でUSTCの循環供給全体を廃止するように設計されています。

これによって、システム危機の際にLUNC保有者が大きな損失を被ることはありませんが、ハイパーインフレのシナリオは理論上不可能になります。

この計画のスケジュールは数回に分けて行われ、最初のステップは2022年末までに行われます。詳細が明らかになり次第、お知らせします。

プロジェクト・エコシステムの再構築

前回のタイムラインでは、Luna v2の実用化を促進するため、2023年半ばに技術的な同等性を検討することを提案していましたが、今回、この計画が早々に実現し、現在実行に移されていることをお知らせします。

これを可能にしたのは、いくつかの幸運な出来事でした。

ブロックチェーン間通信(IBC)

ブロックチェーン間通信(IBC)プロトコルはデペッグが起こった5月にOsmosisとTerraの間でシャットダウンされました。このソフトウェアパッチは恒久的なもので「IBCの再有効化はボタンの切り替えだけではできない」ということを意味しています。

暴落から時が経ち、LUNCの回復が現実味を帯びてくると、流動性のあるユーザー(約41B LUNCと158M USTC)から『IBCチャンネルを再開させたい』という要望が上がり始めました。

その数週間前、Osmosis GrantsはJacob Gadikian(有名なCosmos開発者)に連絡を取ってこの取り組みに協力するよう依頼しました。それ以来、私たちはJacobと彼のチームと密接に連絡を取り合っています。

JacobはIBCの再開を支援するだけでなく、「チェーンのクリーンアップ」も行う予定です。1週間前の最終ミーティングの時点では、今後数週間以内にこれらの変更が行われると予想されます。とはいえ、まだかなりの量のテストと移行が必要なため、変更の導入はまだ数ヶ月先となります。

hey @TerraRebels I just sent a request to join your slack.

validators should begin to run rpc nodes.

I'll also clean up the chain, once (have a template of sorts for doing this)

your doctors are myself, @_cat_shark and @VuongNotional with support from @TheVinhNguyen4 pic.twitter.com/dr136AGnJN

— Jacob Gadikian (@gadikian) September 11, 2022

アップグレードとユーティリティ

チェーンのクリーンアップにはかなりの数の変更が含まれます。いくつかの変更はすでに提案されており、他の変更には「Cosmos v45.8」と「Tendermint v0.34」との完全な互換性への移行が含まれます。これにより、Luna Classicチェーンは「Luna v2」と同等になり、プロジェクトのdAppは一度開発すれば二度デプロイできるようになります。

技術的なギャップが解消されることによって、Terra Classicエコシステムでサポートされるプロジェクトの数が劇的に増加すると期待されます。

ひとつだけ難点があります。現在は協力を申し出てくれた多くの第三者から『私たちはTFLから完全に独立した存在であるべきだ』との意見がでており、これが私たちの次の目標につながっています。

独立性を再構築する

9月14日、韓国当局から Terraform Labs(TFL)Do Kwon氏ら5人のメンバーに対して逮捕状が発行されました。当然ながら、TFL・Do Kwon・Terra Classicの関係については多くの疑問が投げかけられており、『何らかの繋がりがあるのではないか?』と懸念する声が上がりました。

同様に、Jacob Gadikian氏も『独立したブロックチェーンとして立ち上がるのであれば条件付きで協力する』とのことでした。

現在、Terra Classicブロックチェーンは完全に独立しており、一個人や団体がこのチェーンの運命を左右するようなコントロールや権限はありませんが、現在、コミュニティに認識してもらいたいブロックチェーン外の関係がいくつかあります。

そして、完全な分散化へ向けてのアイデアを提供してもらいたいと考えています。

ライトクライアントデーモン(LCD) 

コミュニティコードがブロックチェーンを復活させた8月26日の夜、舞台裏で何が起こったのかを多くの人は知らないでしょう。

その数日前、Vegas氏(@VegasMorph)はTFLのメンバーと会話し、TFLの方針として「Terra Classicをサポートする公共インフラへのサポートを打ち切ること」を告げられたのです。彼らの焦点は「Luna v2の構築」であり、LCDのような公開されているエンドポイントは最終的にシャットダウンすることになるのですから、これは驚くことではありません。

また、Vegas氏は『このインフラを運用するためのコストは毎月数十万ドルもかかる』と言われていました。しかし、LCDはまだ当分の間稼働しており、8月26日も目前に迫っていたので、私たちはブロックチェーンのアップグレードに必要な「2/3の議決権を得ること」に集中し続けました。

8月26日の朝(ブロックチェーンを変更する8時間前)、TFLから「今後はLCDエンドポイントのアップグレードをしない」との知らせが入りました。これによってブロックチェーンが壊れることはありませんが、Terra Stationの機能に大きなアップデートが必要になります。

私はブロックチェーンに同期した完全なノードを確保しており、一時的にそれをフォールバックとして使用することができましたが、リソースも限られており、1時間あたり150万件近い処理に対応することはできませんでした。

さらに、ブロックチェーンに関する情報を照会するために「lcd.terra.dev」を指すdAppsや小規模な中央取引所も、もはや正常に動作しなくなったのです。

最後の手段として、Vegas氏はDo Kwon氏に、Rexyz氏はLUNC DAOにそれぞれが連絡を取ろうとしました。それからすぐに「TFLのPaul Kim氏が公共インフラをアップグレードした」という知らせが入りました。わずか1時間後にはガバナンスが回復し、誰もがブロックチェーンにシームレスにアクセスできるようになりました。

このことで、私たちは独自のLCDをホストし、TFLのLCDエンドポイントから移行する必要があることがはっきりしました。過去1ヶ月間、Terra RebelsとTerraCVitaは、トラフィック、ホスティング、独自のエンドポイントを実行するためのコストに関する情報を収集してきました。

短期的には、バックアップLCDを検討しており、バリデータ、Allnodes、Setten、Autism Stakingから情報とサポートを得ています。冗長性と負荷分散を備えたバックアップ・ノードは、最終テスト段階ですが、まもなく本番稼動できるようになる予定です。

発表されたら、コミュニティが所有し運営する新しいエンドポイントに移行するようにお勧めします。この取り組みを支えてくれたバリデーターに深く感謝します。

Terra Stationウォレット

Terra Stationウォレットは、私たちが完全にコントロールできていないもう一つの重要なアプリケーションです。

先週、フロントエンドチームがTaxのアップグレードのため、プラットフォーム上で失敗したガス取引を修正するときに証明されました。

私たちは、独自の「Rebelステーションウォレット」の作成、Cosmosエコシステムで人気のあるサードパーティーウォレット(Keplrウォレットなど)の調査など、さまざまな選択肢を模索しています。

私たちはこれらのオプションのプロトタイプとビルドを作成しましたが、本番に入る前にさらに統合テストを行う必要があります。

コミュニティプールに資金を提供

独立にはどうしてもコストがかかります。

バックアップフルノードは、特にプライマリノードになり、dApps と CEX のトラフィックの大部分を処理する必要がある場合、運用を継続するための資金が必要になります。

その理由として、人材が流出するのを防ぐためにより多くの開発者を惹きつける必要があり、また、プロジェクトやdAppsにインセンティブを与え、繁栄していくエコシステムをチェーンに構築する必要があるからです。

最も簡単な資金調達メカニズム(パラメータの変更のみ)は、バーンのごく一部をコミュニティプールに資金提供することであり、すでにコミュニティプールの資金を調達するための自発的な議論が行われているのです。

暫定的な予算では、5~10%の小さな配分でも、準備金を作るには十分すぎるほどです。

最後に、私たちのビジョンと、来年度に達成したい大きなマイルストーンをお伝えしたいと思います。なお、ここでご紹介する方向性は、すべて変更案です。

ブロックチェーンに変更を加えるには、コミュニティがガバナンス投票を成功させる必要があり、私たちのロードマップは、Terra RebelsのWebサイトから確認することができます。

Edward Kim(エドワード・キム)とは

ドレクセル大学(米国ペンシルベニア州フィラデルフィア)のコンピューターサイエンスの准教授で、コンピュータビジョン、スパースコーディング、ニューロモーフィックコンピューティング、マルチモーダル機械学習をテーマに研究をする傍ら、空き時間を使い「Terra Blockchain」復興に取り組んでいる。

HP:http://edwardkim.net/
Twitter:@edk208

『Burn and Rebuild Luna Classic(Luna Classicのバーンと再構築)』の原文はこちら

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