Terra Classic(LUNC)

Terra Classic「Cosmoshub IBC再有効化」の提案|fragwerdig/Rex Harrison

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※この記事は、fragwerdig氏とTerra Classicチェーン上でバリデータ(TerraCVita)を運営しているRex Harrison氏が2022年10月25日に公開した提案『Cosmoshub IBC Reactivation via Client Unfreeze(凍結解除によるCosmoshub IBCの再有効化)』の内容を日本語訳した記事となります。

IBC再有効化提案の提案者・著者紹介

提案者:fragwuerdig
著者:fragwuerdig(@tiilentekija)/ Rex Harrison (@RexYellerBelly)

【fragwerdig氏】

LUNCホルダーであり、今回の提案者。

【Rex Harrison氏(Rexyz)】

Terra Classicチェーンのバリデータである「TerraCVita 」の共同経営者。「Terra Classic Community Foundation」の理事を務めている。

IBC(ブロックチェーン間通信プロトコル)とは

IBCとは"Inter-Blockchain Communication"の略で、異なるブロックチェーン間で任意のトークンやデータをやり取りするための通信プロトコルです。

このプロトコルは、一連のデータ構造や抽象化、およびセマンティクス(意味)を指定することによって相互運用性を実現します。IBCを使用することでトークン転送やアトミックスワップ(*1)、マルチチェーンスマートコントラクト、およびさまざまな種類のデータなどを含む幅広いクロスチェーンアプリケーションの構築が可能となります。

主にCosmosネットワークでのトークン転送に利用されますが、Cosmosネットワークに限らず、さまざまなブロックチェーンでIBCを利用することができます。

(*1)アトミックスワップ:異なるブロックチェーン上にある暗号通貨同士を、取引所などの第三者を経由せずに直接交換する技術のこと。

Cosmoshub IBC再有効化の概要

この提案は、暴落時に停止されたIBC Tendermint(*2)クライアント「07-tendermint-71」の凍結を解除することを提案するものです。

これはCosmos SDK(*3) ブロックチェーンの「columbus-5」と「cosmoshub-4」を相互接続します。Terra Classicネットワークとのブリッジ(橋渡し)を再有効化することで、ユーザーはOsmosisのLUNCとUSTCの流動性プールから資金を移動し、他の分散型アプリケーションで使用することができるようになります。

(*2)Tendermint:任意のプログラミング言語で書かれた状態遷移マシンを受け取り、多数のマシンに安全に複製することができるシステム
(*3)SDK:インストール可能な1つのパッケージにまとめられたソフトウェア開発ツールの集合体。

IBCの技術的な背景

IBCは、ブロックチェーンを相互接続する3層構造のネットワークプロトコルで、高レベルのIBCチャンネルを使用して情報を交換します。(資金の移動など)

IBCチャンネルは、IBC全体へのアクセスを可能にするブロックチェーンアプリケーションエンドインターフェイスでチェーン間のデータの流れを制御し、安全性を確保するIBC接続の上に構築されています。コネクションはTendermintクライアントの上に構築され、相互接続された両チェーン上のコンセンサス状態を処理します。

相互接続されたチェーンのそれぞれでもう一方のチェーンを参照するクライアントがプロトコルを動作させるために必要です。

Terra ClassicとIBC間の現在の状況

リレーオペレータが作業を中断した場合、クライアントは期限切れになる可能性があり凍結されたクライアントの状態更新は不可能になります。実際に22年5月にLUNCの価格が急落したときに停止され、今現在も両のチェーン間での通信が不可能な状態になっています。

IBCのクライアントの状態は、信頼性を確保するために、IBCの中継オペレーターが定期的に更新する必要があります。

Cosmoshub IBC再有効化の提案内容

このガバナンス提案の目的は「停止されているクライアントを再有効化すること」です。

IBCプロトコルの実装は、Terra Classicチェーンにおいて停止させていたTendermintクライアントを再活性化することを可能にし、一種のガバナンス提案を公開します。

この提案が通ると、両方のチェーンで利用可能な別のTendermintクライアントの状態がコピーされ、停止しているクライアントに適用することで再有効化されます。

Cosmoshub IBCの再有効化のメリット・デメリット

今回の提案におけるメリット・デメリットについては以下の通りです。

メリット

IBCを再有効化させることは「コミュニティが賢明な判断を下して行動を起こしている」ということを示すことになり、大きなマーケティング効果があるかもしれません。

また、コミュニティが決定すれば、Terra ClassicチェーンのIBCを有効にすることができることも公表されます。(Osmosis(*4)などの他のコア開発者がチャンネルを再開するのをコミュニティが待たなければならないようないくつかのケースを除いて)

IBCを再有効化すると、現在動かすことができないLUNCを解放することができ、相互運用性をもたらすことで他のチェーンの資金を使用して流動性プールから利回りを生み出すことができます。

(*4)Osmosis:2021年6月にサービスを開始したCosmosブロックチェーン上のDEX(分散型取引所)。

デメリット

本提案が受け入れられることでデメリットが発生することはありません。

この提案が可決され、Terra ClassicとCosmos hub間の接続が再開された場合でも、Terra Classicの オンチェーン(on-chain)全体の供給が希薄化する重大なリスクはありません。

しかし、BSC の失敗から学んだように、IBC を全体として使用することにはリスクが伴う可能性があることに注意する必要があります。TerraClassicチェーン上でクライアントを有効化してもCosmos hubで対応するクライアントも凍結される可能性があるためチェーン間の機能的な接続につながらない場合があります。

そのような場合、Cosmos hubで同様の提案をする必要がありますが、コミュニティが拒否する可能性があります。

「Cosmoshub IBC Reactivation via Client Unfreeze」の原文はこちら

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