この記事は、Terra ClassicのバリデータであるLunanauts Validator(@Lunanauts_Lunc)が2023年10月14日に公開した提案『Transitioning to a Per-Job Compensation Structure on Luna Classic Blockchain』の内容を日本語訳した記事となります。
提案の要点
- すべての開発者が自らの専門知識を証明する公平な機会を作り出す
- プロジェクト全体に一括で資金が提供されるのではなく、個々の成果物によって報酬を得る
- 成果主義で効率的かつ透明性のある開発エコシステムを促進するための極めて重要なステップ
Terra Classicが抱える課題
これまで Terra Classic(LUNC)チェーンは、さまざまなプロジェクトの開発チームに資金を提供するために、コミュニティプールの資金調達モデルを採用してきました。
しかし、このモデルによって十分な資金を集められないという問題が繰り返されるため、資金調達の仕組みを再評価する必要があります。
この提案は「仕事ごとの報酬構造」に移行することを概説し、資金調達の効率を改善するだけでなく、すべての開発者が自らの専門知識を証明する公平な機会を作り出すことを目指します。
提案の目的
より柔軟かつ効率的な資金調達モデルを確立することが目的で、具体的には以下の通りです。
- タスクを正常に完了した開発者に適切な報酬を提供する
- 競争力のある「実績主義」のエコシステムを育成する
- 資金配分におけるプロジェクトの説明責任と透明性を強化する
開発者への報酬体系を変更
成果物ごとの報酬
- 開発者は、大規模なプロジェクト全体に一括で資金を提供されるのではなく、個々の成果物によって報酬を得る
- このモデルでは成果物が確認できた時点で報酬が支払われるため、開発者は具体的な成果を出すことが奨励される
プロジェクト管理
- 専任のマネージャーがタスクのリスト作成、成果物の確認、およびコミュニティプールからの資金の支払いを監督する
- マネージャーはブロックチェーンのニーズに基づいてタスクを優先するためにコミュニティと連携する
資金支払いのためのマルチシグウォレット
- セキュアで透明な取引プロセスを確保するため、資金はマルチシグウォレットを通じてコミュニティプールから開発者に支払われる
- マネージャーと選ばれたコミュニティ代表者は、マルチシグウォレットの鍵を保持し、セキュリティとアカウンタビリティのレイヤーを提供する
報酬体系の変更におけるメリット
実績主義のエコシステム
- この仕組みにより、既存のチームとの関連性に関わらず「すべての開発者に平等なフィールド」を提供できる
- 開発者は報酬を得るために質の高い仕事を提供するモチベーションを得ることができる
効率的な資金配分
- コミュニティにとって必要かつ有益とされる仕事に資金が配分されるため、リソースが効率的に利用される
- 成果物ごとの支払いモデルは、一括での資金調達と比較して財政的な無駄を減らすことができる
透明性と説明責任の向上
- コミュニティは資金配分とプロジェクトの進捗を容易に追跡できるため、説明責任の文化が育成される
- マルチシグウォレットと管理監督により、資金が公正に、かつ適切に行われた仕事に対してのみ支出されることが保証される
コミュニティ参加
タスクの優先順位付けにコミュニティが関与することで、より高い参加と集合的意思決定が促進され、一体感のあるエコシステムが育成される
結論
Terra Classicブロックチェーンでの成果物ごとの報酬構造への移行は、成果主義で効率的かつ透明性のある開発エコシステムを促進するための極めて重要なステップです。
このアプローチによりプロジェクトの質的な成長だけでなく、すべての開発者に公平な機会も提供されるため、Terra Classicチェーンはより革新的で協力的な未来に向かうでしょう。
マネージャーはガバナンスとコミュニティの意見を介して決定される必要があり、これは目の前のタスクを監督する有給のポジションになります。この担当者には、Terra Classicのコードとブロックチェーンに関する知識が必要です。
『Transitioning to a Per-Job Compensation Structure on Luna Classic Blockchain』の原文はこちら