Terra Classic(LUNC)

「USTC」Terra Classicのリペグ提案:Tobias Andersen

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Terra Classic USTC re-peg proposal

※この記事はTobias Andersen氏(@ZaradarBH)よって執筆された『Terra Classic USTC re-peg proposal(Terra Classic「USTC」リペグ提案』の内容を日本語訳した記事となります。

計画概要

2022年5月、現在Terra Classicとして知られるProof-of-Sakeブロックチェーンネットワークは「ブラックスワン(*1)」現象を目撃しました。

何兆ものガバナンストークン(LUNA)が発行され、無担保ステーブルコイン(UST)の形で膨大な「負債の山」ができ、競合するブロックチェーンネットワークに重要な知的財産が流出するという悪循環のデススパイラルによって、Terra & LUNAの崩壊を招いたのです。

しかし、幸運にも私たちには"大切に育てれば現代史の中で最も重要な経済回復をもたらすのに役立つ重要な資産"が残りました。

その資産とはこの文書を読んでいる人々、いわゆる「強い握力で暗号資産を保有し続ける投資家」「私たちのプラットフォームの将来に賭ける起業家」そして「"コミュニティ"と呼ぶことができる非常に大規模で多様なユーザベース」です。私が暗号資産に費やしてきた約8年間で、これほど活気に満ち、感情的で多様な人々の集団に出会ったことはありません。

(*1)ブラックスワン:確率論や従来の知識や経験からは予測できない極端な事象が発生し、それが人々に多大な影響を与えること

しかし、「価値主体主義」と「通貨の不安定性」の落とし穴を回避しつつ、前述のような問題に対処できる「真の分散型市場」を作るという挑戦に、どうすれば再挑戦できるのか、という疑問が残ります。この問題に対する思想的な立場はともかく、我々の選択肢は限られており、時間軸は日に日に短くなっています。

この状況を改善する方法について多くの良いアイデアを見てきましたが、コンウェイの法則(*2)により、それらはすべて、求められているTerra Classicの復活を達成し、我々のネットワークを安定成長への軌道に戻すための2通りの方法に大きく当てはまるような気がしています。ここからそれぞれを説明していきます。

(*2)コンウェイの法則:組織がシステム開発を行う際、その組織のコミュニケーション構造と同じ構造の設計を行ってしまうという法則のこと

量的緩和によるUSTCの救済

1つ目の道は、過去数十年間、ほとんどの現代経済にとって「魔法の治療法」であった量的緩和(*3)です。量的緩和は様々な方法で適用することができ、日本を含めた多くの国で利用され、コモディティと暗号資産の著しい成長に貢献しました。

(*3)量的緩和:中央銀行が市場に供給する資金の量を増やすことで、金融市場の安定や景気回復を図る政策のこと

しかし、ワイマール共和国のようなシナリオで同様の理論を適用すると、せいぜいインフレ率がわずかに上昇するだけで、最悪の場合、残りの流動性が大量に流出する可能性があるのは道理である。

それは量的緩和が景気回復を保証するものではないからだ。市場全体に供給される通貨の増加はインフレの促進によって価値の希薄化を加速させるため、このケースであった場合、それに対抗するためのオンチェーン・ボリュームの真の成長は望めません。

量的緩和戦略の適用という問題をさらに複雑にしているのは、100億ドルの「債務の山」が、USTCの1ドルへの再ペッグを辛抱強く待っている投機的な資本の雪崩による大幅な価格変動の可能性を残している点です。

人為的にUSTCの供給量を減らす追加措置が講じられない限り、成長サイクルを維持するためにさらなる量的緩和が必要となり、米国政府が記録した31兆ドルの累積赤字に並ぶことになる可能性が高い状況です。

ですが、これはガバナンスの投票によってのみ達成可能で、たとえ可決したとしても、その結果はおそらく法廷で法的に争われ、今後何年もプロセスを引き延ばすことになるのでしょう。

量的引き締めによるUSTCの資本増強

2つ目の方法は、「Tax Burn」のような量的引き締め(*4)です。市場全体に供給される通貨の量的引き締めで、USTCとLUNCの両方の流通供給量を大幅に減らし、同時に両方を持続可能な経済回復の道筋に乗せるというものです。

(*4)量的緩和:中央銀行が保有する資産を圧縮することで、市場に出回るマネーの量を減らしていくこと

エンドユーザーの利便性を高めてステーキングの報酬を増やすことで、TerraとLunaのプールに新しい資金を呼び込むことに焦点を当て、さらに未委任期間を長くすることを組み合わせるとネットワークの流動性の流れをより予測しやすくなります。

その結果、新しいビジネスにとってより魅力的な環境を作り出し、彼らの初期のビジネスモデルを成熟させ、自立した「経済エンジン」にするための機能的な「ボラティリティ・ガード」を提供します。

そして時間をかけて「負債の山」を崩し、有機的かつ持続可能な方法でTerra Classic経済の回復を促進できると信じています。

そのためには、「パーティションドプール(partitioned pools)」と呼ばれる新しいオンチェーン機能を実装する必要があります。これにより、dAppsはLUNCベースの料金をTerraプール内に動的に作成できるようになります。

その際、LUNCベースの手数料を支払うことで、「空のパーティション」と、初期供給量がゼロの独自の「コモディティトークン」が付与されます。これらの新しい「コモディティトークン」は、USTCで測定される固定または動的な価格ポイントを利用し、LUNCを介してのみ資本化され、USTCを介して取引することができる。

資本の相互運用」を可能にしながら「分割されたプール」の安定性を保つために、専用の「送金コリドー」が設立され、ABSキーパーによって監視されることになると考えられます。

このようにして、ネットワーク上の様々な仮想経済にサービスを提供する個々のセカンダリ「パーティションプール」内で過度の資本摩擦を起こすことなく、2つの主要流動性プールにかなりの程度の過剰担保を提供することができるのです。

結論

量的緩和を実施すれば短期的な成長サイクルは作れるが、LUNCが無駄に供給されすぎているため、中長期的には持続しない可能性が高い。さらに、市場全体に供給される通貨が増加すれば、新規参入者は将来の量的緩和を警戒して投資を控えるようになると考えられます。

このシナリオを回避するために、オンチェーンユーティリティの拡大への投資を加速させることもできますが、一般に新興企業の成功率は低く、量的緩和がネットワークにプラスの効果をもたらす絶好のチャンスは短いため、この戦略は非常にリスクが高く、報酬も非常に限定的なものになります。

さらに、一度踏み出した道は、量的緩和が進行し、USTC の再ペッグの取り組みを保護するために LUNC が増刷され、既存の投資家がさらに希薄化する可能性が高くなります。

賢明な人であれば、この状況から立ち去り、やり直し、その前に行われた何千もの失敗した実験とともに、ネットワークを死滅させることが最善であると言うでしょう。

しかし、愚か者はすでに死んでしまったものは死ぬことができないと主張するでしょう。私がこのプロジェクトに費やした時間と労力を考えると、私は非常に愚か者です。しかし、回復のための唯一の実行可能な選択肢は、「困難な道」を歩むことであると私は強く信じています。

USTCのリペグに必要なこと

USTCのリペグに必要な長期的な資本投資を呼び込むためには、"経済的不安定を禁止"しながら"ポジティブなネットワーク成長"を促す方法で既存のプラットフォームインフラを活用する新しいビジネスのインセンティブを与える"反脆弱な"マーケットメーカーシステムを確立する必要があります。

これは『ステーキングとオンチェーンユーティリティの増加を促すことによって現在の価格変動を安定させながらネットワーク効果を拡大し続けることができれば、最終的には市場が評価の増加と十分な流動性で私たちに報酬を与え、USTCをリペグし、プラットフォームをさらに拡張するための報酬が得られる』という仮定に基づいています。

私たちはこの偉業を成し遂げるために、起業家が投資家の資本に対するリスクを負うことなく、仮想通貨業界で数少ない「真のコミュニティ主導型ネットワーク」で新しい機能を作成できるよう、追加の「資本管理」を確立できる新しい多くの機能を実装する必要があります。

ウォレット・エンドユーザー・スマートコントラクトなどの既存のネットワーク資産との相互運用性を付与しながら全てを実現します。

その代わりにこれらの企業は1回限りの手数料を支払って独自の「パーティションド・プール(分割されたプール)」を作成し、その「起源プール」が利用できる新しいコモディティトークン(denom)を発行します。

コモディティトークンには特別な「ユーティリティ税」が課され、アレックスが構想する「トランシェコンセプト」の資金源となるプラットフォームと、様々なネットワーク機能を利用するための対価としてシニアエイジの受給者の間で分配されることになります。

また、コモディティトークンが「パーティションド・プール」から出てUSTCに入る際には「スワップ税(トビン税とも呼ばれる)」が適用されることになります。

これは、ABSキーパーによって測定される「調整ローリング平均」、国庫によって管理される税制(例えば"報酬の重み")、およびプラットフォームで実装されるその他のボラティリティガードという形で「資本規制」の対象となります。

「パーシャルスワップ」のコンセプト

"パーティションド・プール"のコンセプトが機能してUSTCをリペグするためには、LUNCとUSTC間の"パーシャルスワップ(最終的には"フルスワップ")を、LUNC供給量に100億のハードキャップ(トークンを発行できる上限額)を設けて可能にすることが不可欠です。

これは、提案3568で定められている100億LUNCのハードキャップを破る取引では誰もLuna Poolにスワップできないようにすることを保証するものです。

オンチェーンユーティリティの向上と一貫したネットワークの成長を組み合わせることで、資本プールを介して価値が流れ始め、結果的に税収入を得ることができるようになります。

エッジネットワーク(IoT)やその他セカンドレイヤーのユースケースに仮想通貨サービスを提供する能力を拡大する準備をしながら「プラットフォーム準備金」の再資本化をゆっくりと支援するための税収を得ることができるのです。

「パーティションド・プール」のコンセプト

"パーティションド・プール"は、既存のトークンとの後方互換性を維持しながら、Terraプールの動作を拡張することを可能にする新しい "denom"サブタイプを含んでいます。このような方法で、現在の"プロトコルトークン(LUNC・USTCなど)"と同時に存在できる新しい"コモディティトークン"を作成することが可能になります。

しかし、これらはガバナンスによって承認された「プロトコルトークン」とは異なる「コモディティマネー」に近いもので、主に閉じた金融システムで使用され、さまざまな形態の商取引や「健全性を持つ貨幣」に近い属性を持つ行動を促進するものです。

そのため「パーティションド・プール」は常にゼロから始まり、ネイティブガバナンストークン(LUNC)を通じてのみ資本化できるように「保護」されます。これはガバナンスコミュニティと、ネットワーク上で出店しようとする民間企業の間で負債から資本への交換を行うことを意味します。

「送金経路」のコンセプト

"送金経路"は、単にABSキーパーによって測定される"調整されたローリングアベレージ"の対象となる「規制されたスワップチャンネル」に過ぎません。その目的は、Terra Classicネットワーク上で作成された様々な「商品トークン」間の「規制された資本の流れ」を可能にすることです。

「トランシェ」のコンセプト

前述した機能の主な目的は、100%オンチェーンで管理でき、ABSキーパー・MLベースのセンチメント分析・トランシェをきっかけとしたブレークファクターの増加、その他ネットワーク全体に"経済的安定"を提供するのに役立つあらゆるアイデアを用いた「ボラティリティガード」を使用して保護することができる「トランシェ・システム」の作成に資金提供できる程度にプラットフォームの準備金を回復するのを助けることです。

この機能のほとんどは、アレックス(Alex Forshaw)が公開した提案の中で詳しく説明されています。「LUNCの追加発行」に関しては合意が得られなかったものの、彼のアイデアの利点について何ヶ月も議論したことは、私たち双方にとって有益であったと私は考えています。

私はこれ以上詳しく説明することは無意味だと思いますし、アレックスのアイデアは他の機能とシームレスに結合して、部分の総和よりも強く大きな構造を提供することができると信じています。

『Terra Classic USTC re-peg proposal』の原文はこちら
Alexのリペグ提案
The Terra Classic Re-Peg: Updated Proposal
Terra Classicのリペグ|アップデート提案:Alex Forshaw

この記事はAlex Forshaw氏によって執筆された『The Terra Classic Re-Peg: Updated Proposal(テラ・クラシックのリペグ:アップデート提案)』の内容を日本語訳した記事となります。

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