Terra Classic(LUNC)

Terra Classic「オフチェーン資産マルチシグ管理」についての補足説明:Alex Forshaw

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※この記事は、Alex Forshaw氏(@4lex_4sh4w_TR)が2022年11月11日に公開した『Multisig: Material Updates』の内容を日本語訳した記事となります。この記事で説明されている「オフチェーン資産のマルチシグ管理」に関する元の提案内容は以下の記事でまとめています。

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LUNC開発者へコミュニティ資産から「400万ドル」資金提供:Alex Forshaw提案

この記事は、Alex Forshaw氏が2022年10月29日に公開した提案『Fund Devs With $4M of Off-Chain Community Assets(オフチェーンコミュニティ資産400万ドルで開発者に資金提供)』の内容を日本語訳した記事となります。

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オフチェーンコミュニティ資産の管理方法について

私が最初に提案した「LUNC(Terra Luna Classic)開発者へコミュニティ資産から400万ドル資金提供」は、Terra Classicコミュニティ内で知的で真っ当ないくつかの議論を引き起こしました。

現状で言えることは、オフチェーンのマルチシグ(*1)はコミュニティのコントロール外であり、コミュニティの管理下にあるというのは原則的に間違いであるということです。

(*1)マルチシグ:セキュリティ技術のひとつで、トランザクション署名に複数の秘密鍵を必要とする技術。

私の見解は以下の通りです。

  • L1(*2)技術的作業を専門的に認可・管理する専門家グループに資金だけでなく、権限を委譲するという内容は当初の提案のポイントを逸脱してる
  • LUNC建てではない資金を持つことで、その他の収入プールにアクセスできるようになり、資金を多様化させることができる
  • 資産の流動化には、スリッページコストという大きな代償が必要になる

これらの課題に対する私の解決策は、マルチシグ内の全ての資産をwLUNCに変換し、LUNCチェーンのバーンアドレスに全てブリッジしてその資金を燃やすことです。これは、利回りの低下や資産分散の喪失、実行の遅れなどといった点で大きなコストはかかりますが、最終的にコミュニティがすべてをコントロールできるようになることが保証されます。

(*2)L1:レイヤー1ブロックチェーンとも呼ばれる第一層・基盤となるブロックチェーンのこと。代表的なL1ブロックチェーンとしては「Bitcoin、Ethereum、BNB Smart Chain、Solana」などが挙げられる。

マルチシグ署名者の利益相反について

マルチシグの署名者は、たとえ自分にとって直接の利害関係のある投票から身を引いたとしても、 提案された仕事に投票する際には大きな利益相反となるケースに直面します。従って、すべての署名者は独立してなければなりません。

私の見解としては、この場合、最大の技術貢献者のほとんどがマルチシグの管理から排除され、コミュニティの技術的信頼性や事前の作業証明、作業提案を評価する生来の技術的専門知識がない人たちの手にマルチシグが委ねられてしまうと考えています。

また、技術者をマルチシグに追加する際には最小限の事前の作業証明が必要ですが、独立した署名者は全体のマルチシグに加えられるべきです。そのためにLUNCDAO(@LUNCDAO)やJack Zampolin(@jackzampolin)、Setten(@setten_io)は、独自の才能を持つ独立したオブザーバーとして最初のスレッドに加えられたのです。

マルチシグ署名者の責任と報酬について

次は、マルチシグ署名者たちの投票以外の中核的な責任は果たして何なのか?そして、報酬はいくら支払われるべきなのかについてです。

私の考える「署名者の主な職務と責任」は以下の通りです。

  • 法的責任
  • 風評被害に対する責任
  • 個々の助成金提案の評価・監査・進行状況の監視
  • コミュニティに対してすべての決定を提示/議論/プレゼンテーションに必要な時間の確保(本業を持つ私たちにとって一般に理解されているよりもはるかに多くの時間とエネルギーを必要とする)

私はこれを控えめに見積もって、週に15〜20時間の「フルタイム時間」とし、署名者のほぼ全員が本業で稼いでいる時間給と同程度の報酬としました。

提案公開後の議論で分かった新たな発見

最初の提案を公開してから議論を進めていく中で、以下の新しい発見がありました。

  • 様々な理由、主に不法行為/法的責任により、当初のマルチシグファンドは、以前予想していたよりもかなり管理が難しくなることが予想されます。私をはじめ、Edward Kim(@edk208)、Coach Bruce(@asparagoid)、PFC(@PFC_Validator)を含む多数の署名提案者が法的配慮を考慮した上で、推薦を取り下げました。
  • 私はオリジナルのマルチシグの資産を清算してLUNCに変換し、署名者が決定した最も効率的な方法でLUNCのバーンアドレスに送ることを提案します。
  • コミュニティが指名するマルチシグの管理者はアメリカ出身者であってはなりません。マルチシグ管理者はイギリス居住者、もしくは「軽薄な訴訟に対する"敗訴者負担(Loser-pays)"の罰則」や「誤った名誉毀損・誹謗中傷に対する厳しい罰則」などの法制度を持つ別の国の個人である必要があります。
  • 候補者は説明責任を果たすために、多様で、相互に議論し合えるTerra派閥の出身である必要があります。この仕事は非常に単純なため報酬を支払う必要はないでしょう。
  • 署名者の仕事はただ一つで、マルチシグの資産をオンチェーンでwLUNCに変換し、そのwLUNCをバーンアドレスにブリッジすることです。マルチシグから抽出されたwUSTCにもすべて同じ命令が適用されます。
  • LUNCを購入、バーンすることでウォレットの価値がLUNCコミュニティに直接帰属することを保証し、また、これらの資金の以前の出所に関連する法的責任を排除します。(資金はバーン処理によって破壊されます)

これまで課題に対しての私の見解を述べてきましたが、この提案の本来の目的である「効率的に資本を配分できるコミュニティが運営するブロックチェーン開発主体にリソースを委ねることについて」という問題には、まったく触れていません。これは、別の提案とガバナンスの投票で承認されなければならないでしょう。

私が提案する解決策として、後日別の提案で出しますが、LUNCをオンチェーン・マルチシグにミント(鋳造)し、質の高い専門家に質の高い仕事を実際に支払うことができます。これにより200万ドル相当をはるかに超えるLUNC数量となり、コミュニティがマルチシグを完全に管理できるようになります。

『Multisig: Material Updates』の原文はこちら
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