Terra Classic(LUNC)

LUNC:価格調整による裁定取引のインセンティブ拡張|USTCリペグ提案:Duncan

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※この記事は、Terra Classicチェーンの著名なバリデータであるDuncan氏(@wrapped_dday )が2023年1月12日に公開した提案『USTC Re-Peg: “Ziggy” + ERM (Discussion #3)』の内容を日本語訳した記事となります。

提案の要点

  • Terra Classicには使用可能な"お金"はあるが、需要を補うために使っていない現状
  • 裁定取引ユーザーにインセンティブを与えることによって取引活動不足の問題を解決
  • 「ソフトペグ」目標値の達成、為替レート価格が互いに大きく乖離したときに"ERM"をオフ

免責事項:Duncan氏について

私は PFC の支援を受けてバリデータ「Onyx Validator」を運営しています。私は主に1人で活動をしており、暗号エコシステムを独学で勉強しています。そのため、TFL(Terraform Labs)や、TerraCVita のような主要な組織とは正式な提携関係はありません。

最終的な提案は2023年1月31日に投票のために提出される予定ですが、この日付は私たちが共に合意できるプランに到達できない場合、変更される可能性があります。

これまでのUSTCリペグ議論

新規手数料変数によるルナ為替レートの修正

「ArbitrageModifier」と呼ばれる投票手続きが完了した後、LUNA為替レートに手数料を適用します。

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裁定取引手数料「ArbitrageModifier」を導入

ArbitrageModifierを使い、USTCを段階的にペッグさせていく「ソフトペッグ」の概念を活用して目標を達成します。

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この記事は、Terra Classicチェーンの著名なバリデータであるDuncan氏が2023年1月4日に公開した提案『USTC Re-Peg Proposal: “Ziggurat” (Discussion #2)』の内容を日本語訳した記事となります。

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手数料による「ストップレベル」の設定

これは ディペグ 時など大幅な割引価格となっている状態でも「Terra <> Luna」の間の 裁定取引(アービトラージ)でインセンティブを得れるようにするための拡張可能な方法について提案する3回目のディスカッションです。

これはusdrの為替レート(Luna)、またはuusdのような ステーブルコイン トークン(USTC)に手数料を適用し"オーバーフロー"を防ぐためにストップレベル(目標)を設定することによって行われます。

今回のディスカッションでは、これまでのコンセプトを反復し、コミュニティからのフィードバックによって浮き彫りになった重要な問題を明確にします。

Terra Classicにおける裁定取引(アービトラージ)の仕組み

Terraは当初「裁定取引(アービトラージ)」として知られる基本的なインセンティブ・メカニズムを中心に設計されました。裁定取引の大きな特徴は以下の通りです。

  • ある市場で証券を購入し、同時に別の市場でより高い価格で売却する
  • 2つの市場間の同じ資産の一時的な価格差により、トレーダーは利益を確定することができる
  • トレーダーは、株価が変動する為替レートのためにまだ調整されていない外国為替で株式を購入することによって、裁定取引の機会を利用します
  • 裁定取引は比較的リスクの低い取引と考えられている。

例えば、ユーザーがTerraでUSTCを$ 0.02で購入し、Binanceで$ 0.03で売却した場合、「単位」の取引で$ 0.01の利益を獲得したことになります。

この裁定取引は内部で変換されます。USTCのようなTerraを使ってLUNCを買ったり、その逆も可能です。これらの為替レートは「投票手続き」と呼ばれるプロセスで、各 バリデータ が「exchange_rates」を投稿します。

ブロックの例:10,193,375

salt: "400f"
feeder: 
terra1s8x58csttl3wgw0vgds5ptlrq3lgeau6f6wusz
validator: 
terravaloper1xl2ujgt7f6xn8v26rjkhy4f20x5plc3nq6nql7
exchange_rates: ""0.000295594206874093uaud,0.00025988545353405ucad,0.000188358954092912uchf,0.001398435318661292ucny,0.001423678820640927udkk,0.000191376691164571ueur,0.000166983721981012ugbp,0.001526318082244413uhkd,3.029580302927471892uidr,0.015704698819674663uinr,0.02771880738142329ujpy,0.261949510563912077ukrw,0.663612297496888114umnt,0.000904542991035891umyr,0.001971752033675646unok,0.011162123826391876uphp,0.000150794404366008usdr,0.002070056692098034usek,0.000269649063995179usgd,0.007037748996891885uthb,0.006118288984096355utwd,0.000194629930452078uusd""

現在、為替レートはすべて市場全体で同程度です。裁定取引を行っているユーザーはいますが、USTC ペグ を十分に高く押し上げるほどではありません。

私が投稿している一連のディスカッションシリーズは、それらのトレーダーに名目上のインセンティブを与えることによって、BINANCEなどCEX(中央集権取引所)や、TerraswapなどのDEX(分散型取引所)における取引活動不足の問題を解決しようとするものです。

インセンティブが必要な理由

USTC、または、他の全てのTerraステーブルコインを リペグ するためには、以下のいずれかが必要です。

  • より多くのお金(供給)
  • お金の使い道が増える需要、または「ユーティリティ」

しかし私たちは現金を急速に流出させており、使用可能なお金を需要を補うために使っていない現状にあります。

私たちは比較的、現金に恵まれています。2022年9月頃に ステーキング が再開されて以降、時価総額は$35億から下降傾向にありますが、これは「使用可能な総資本」と見なすことができます。

時間の経過とともに、時価総額で測定される資本額は過去数か月で約$ 25億減少しましたが、これには正当な理由があります。LUNCはショート(売り)の方がロング(買い)よりも有利なのです。

ロングする方法の一つは、単純に「買い増し」することです。つまり、現金の"供給量"を増やすことです。しかし「買い増し」には、ポジションを維持するために必要なコストもかかるため、あまり納得のいく理由がないように感じます。

そこで登場するのが"需要"、つまり「現金を使う理由」です。LUNCを手放したくない人が多いので、LUNCに紐づくものとしてUSTCに限らず「Terra」を使うインセンティブを与えているのです。

もし「Terra <> Luna」のスワップ(交換)が最悪なら、人々はブロックチェーンを使いたがらないでしょう。これは「完全な停止」を意味します。Terraを削除したいのであれば削除することができますが、機能する DApps がない場合を除いて、または他の L1 ブロックチェーンを使用することになります。

技術者以外に向けた提案内容の説明

私たちは、本当に基本的なシステムを提供し、ブロックチェーンがTerraやLunaの形で速く、あるいは遅く処理できるようにしたいと考えています。ですが、私たちは怠け者なのでこの部分を自動化したいとも考えています。数秒の処理を自動化するために、1日8〜12時間、8ヶ月間に渡ってプログラミングしようと思っています。

この超基本的といえるシステムは「車に付いているようなペダル」のようなシステムです。Terraを私たちの車とした場合、私たちはほんの少し価格を上げたり下げたりすることで、価格の動きを速くしたり(加速)、遅くしたり(ブレーキ)するよう指示することができます。

「プレミアム」とは、スワップで支払う追加料金のことです。「ディスカウント」とは、スワップを行う際に価格が下がることです。

この提案では、ERM(ExchangeRateModifier)に次のどちらかを指示します。

  • Lunaの価格を"+N%"上げる
  • Terraの価格を"+N%"上げる

これにより、これらのコインを取引する市場で暗黙の”プレミアム”または”ディスカウント”が発生します。。例えば、TerraのUSTC交換レートを少し上げると、BINANCEの取引市場もそれに追いつく必要があります。これは「LUNCを割安で買って担保することができる」ということでもあります。

そして「ソフトペグ」の目標値に達したとき、あるいはバリデータの為替レート価格フィードが互いに大きく乖離したときに、ERMが自動的にオフになるよう依頼します。

この部分は非常に重要なポイントです。為替レートを変更すると次の価格フィードが制御不能になり、不正確な価格フィードが連鎖的に発生する可能性があるのです。(この議論に先立ち、このことを指摘してくれた@Asobs_CNG 氏に感謝します)

要するに、LunaやTerraの価格を+N%修正するような価格フィードがあり得るのです。意図的に作った価格差が正確に決済されない場合、誤ってこの為替レートの修正をかけ直すことがあるのです。

交通渋滞で車を運転するようなものだと考えてください。ある時間までに目的地に着かなければならないとします。私たちの場合、これは実際には2022年5月から2年後なので、他に予定がなければ約16ヶ月あることになります。時間内に目的地に到着するためには、一般道ではスピードを出し、渋滞やカーブでは速度を落とし、コース上に障害物があれば迂回する必要があります。

オプションに詳しい人は、この考え方を次のように定式化することができます。

  • 目的地:「デルタ」
  • 目的地までの時間:「シータ」
  • 迂回するタイミング(ナビゲーション):「ベガ」

価格を調整するレバー「ERM」導入の提案

「ERM(ExchangeRateModifier)」という新しい自動化されたレバーを導入し、投票手順の後にLuna為替レート「usdr」や個々の為替レート「Terra」「uusd」「ukrt」「ujpy」などに適用します。そして、オプションにヒントを得た方法論で、資本流出をガードします。

ERMは1回限りの条件付き手数料適用で、以下の特定の条件を満たした時にOFFになります。

  • ERMのソフトペグのターゲットである「デルタ」が達成され、ERMがONになったときに定義される
  • ERMの「ソフトペッグ」ターゲットが満たされていない。これは、通過したブロック数「シータ」または為替レートがRewardBandのリミット(デフォルトは7%のDec「ベガ」)に近すぎる傾向であるなど、さまざまな可能性で定義される

この種の手数料レバーを実装するフローの例として「bps」を使用した場合、以下のような流れになります。

  • 「ERM:デルタ(soft-peg target)」には、あらかじめbpsの目標値”+0.15”が設定されている
  • 「ERM:シータ(time-until-expiration)」は、ERMがシャットダウンするまでに何ブロック経過するかを指定することにより、ERMの有効期限「25ブロック(または約2.5分)」を定義する
  • 「ERM:ベガ(implied-volatility-guard)」は、ERMが最初に適用されたときの既存の為替レートから将来の変動率(ボラティリティ)を測定し、ERMの緊急メカニズム"+0.30"を定義する
  • 「デルタが満たされない場合」「シータが期限切れになる場合」または「ベガが報酬帯以外のキャスティングレートに傾くことを示唆する場合」は、クロスマーケットの為替レートが正常化するまでERMを無効化

Terra Classicコミュニティからの質問

Q 1:分かりやすく説明して下さい

ブロックチェーンに「何かをする」ように指示し、コインの価格や上下させます。ただし「ほんの少しだけ」です。もしそれが私たちの望むことをしないなら、あるいは私たちが忘れているだけならオフにします。

Q 2:これはBurn(バーン)されますか?

適切に設計されれば、Taxよりも多くBurn(バーン)することができます。そして、このような実装はTaxをなくすことができることを意味します。私たちはすでにTaxと手数料をシステムに組み込んでいるのです。

Taxや泥沼化した金融市場での取引が好きな人以外は、こちらの方が長期的には良い選択肢でしょう。

Q 3:どのくらいBurnされますか?

具体的には分かりません。しかし、だからこそ少量でテストして、うまくいかなかったら「ああそうか、Duncanは新しいことを学んだんだ」となるわけです。”Burnさせるための方法を変えてみるようなもの”だと思えばいいのです。

松の木は早く熱く燃えますが、多く燃やすには大量の松が必要です。また、オーク材は火をつけるのに時間がかかりますが、パイン材よりずっと長く燃えます。

Q 4:これでLUNCの価格は上昇していくのでしょうか?

適切に設計されれば、ステーキングを行うユーザーは現在よりも多くの収入を得ることができます。Burnするだけでなく、ステーキングユーザーがBurnすることで得られるUSTC報酬も増えるからです。オラクルプールはスワップ手数料で埋まっていることを忘れないでください。

この提案はフィードバックを受けて修正されました。特にERM「シータ」にオプションのようなメソッドを含めることは、有用であることを証明できるはずです。

Q 5:なぜ「ロー」や「ガンマ」のような他のギリシャ語を含まない?

このメカニズムをインフレ用に調整するまでは「ERM:ロー」を含めることはできません。しかし「インフレ / ミンティング」を再度有効にすれば"リスクフリー"レートを正確に決定するためのメソッドである「ERM:ロー」を追加することができます。

「ERM:デルタ」のインスタンスを1つ以上設定すれば「ERM:ガンマ」を含めることができるかもしれません。私たちは、さまざまな地域の20以上のネイティブ通貨をサポートしています。「ERM:デルタ」をいくつかのトークンでテストした後「ERM:ガンマ」を含めると便利です。

Q 6:LUNCに割引があるなら価格が跳ね上がる?シビル攻撃のためにバリデータに出資する?

以前の形態ではそうでした。オプションのような方法論を含めるという提案は、これをある程度緩和するものです。内容は以下の通りです。

  • 「ERM:シータ」は、裁定取引ユーザーが特定のブロックタイムフレーム内で実行しなければならないことを意味する
  • 「ERM:デルタ」は、裁定取引ユーザーが価格変動(soft-peg target)に当たった場合、直ちに市場調整(市場反応性)の対象となることを意味する
  • 「ERM:ベガ」は、価格を抹消しようとする裁定取引ユーザーに「ERM:シータ」期間内にそうするよう強制するもの

シータやベガの脅威ベクトルは、裁定取引ユーザーの脅威を非常に小さな時間枠に制限します。ブロック期間が”25”であれば、裁定取引ユーザーはMEV攻撃を実行するために2.5分の時間を持つことになります。このブロック期間を1分に縮めると、裁定取引ユーザーはMEV攻撃を実行するためにフラッシュローンを使用する必要があります。

このプロトコルを内部で担保するために、これを回避できる非常にクールな設計機能があります。それは「ヴォールトブレーカー(金庫破り)」です。

例えば、取引中に徴収した手数料の一部を使って、消費税のような金庫を作るとします。この金庫を開けるには、シータやベガのMEV攻撃を実行するしかありません。ですが、金庫が破られるとネットワーク全体がすべての機能を停止し、プロトコル内部の金庫から完全に分配されます。

裁定取引のメカニズムにより、この種のプロトコルには常に攻撃ベクトルが存在します。不意打ちを食らうより、知って理解した方がいいでしょう。

コミュニティの反応・フィードバック

@Abdulaziz_Ghamdi_KSA

この提案でユーザーがTerraでLUNCを割引購入した場合、大量の裁定取引を防ぐためにそのLUNCを時間(例:21日間)かけて自動的にステークし、またはユーザーに帰属させます。

ここでステーキングLSDを組み込むことができるかどうかを確認してください。

@LUNC808

「Terra <> Luna」のMarketメカニズムはオフになっているので「LUNC-USTC」のような流動性プールを使ってトレードをルーティングする必要があります。

これらの流動性プール(LP)は、あなたが預けた資産に対して、通常「uLP」と表記されるトークンを ミント します。このLPトークンをBurnウォレットに送れば、Burnウォレットは永久にBurnの出口となり、Burnウォレットが価値を持てば持つほどスリッページ率が良くなります。

これはかなり興味深く、私ならユーザーのためにこれを組織化する方法を見つけます。

Duncan氏による個人的な感想・考え

私は、投票手順に直接干渉しないよう提案に手を加え、人々が私に知らせてくれた重要な懸念点に対して行き過ぎないように「オプション方式(ギリシャ方式)」という形でいくつかの安全策を盛り込みました。

この反復には過去数回よりもずっと満足しています。「ERM:ガンマ」のコントロールは、内部スワップレートをある程度"ハードコード"されたレベルでコントロールすることになるため躊躇しています。どなたかここで何かアイデアをお持ちでしたら教えてください。「ERM:ロー」は調べてみると面白い手法になりそうです。

『USTC Re-Peg: “Ziggy” + ERM (Discussion #3)』の原文はこちら
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