Terra Classic（LUNC）対応の新ウォレット「Station」公開

※この記事は、TerraのメンバーであるZion氏（@Zion_Schum）が2023年1月15日に公開した記事『Introducing Station』の内容を日本語訳した記事となります。

この記事の要点

Terra Classic対応の新ウォレット「Station」公開
最適なバリデータに簡単委任「Quick Stake」追加
ダウンロード先など各種リンクも掲載

Contents

Terra Classicもサポートする「Station」公開
ステーキングをよりシンプルに「Quick Stake」
次世代の仮想通貨管理
ガバナンスの一括管理「Interchain Governance」
チェーン統合と今後の予定
Stationを使い始める方法
DApp開発者に向けて
Station体験の向上に向けて
今後の展望
Stationに関する各種リンク
その他の資料

Terra Classicもサポートする「Station」公開

TerraのWeb3へのインターフェース構築への第一歩は完了しました。

私たちは、新たなStationを発表することを嬉しく思います。このStationウォレットは、複数のブロックチェーンネットワークとやりとりする際の面倒なプロセスを簡素化します。

Stationを使えば、ユーザーは簡単にステーキング、ガバナンス投票、トークンの送受信ができ、サポートされているすべてのチェーンでお気に入りの DApps を利用することができます。

Terraはマルチチェーンの未来、つまり、分散型ブロックチェーン経済が2通貨間の互恵的な経済協定を作ることで互いのインセンティブを調整し、新しいチェーンを作るのにわずか数分しかかからないような未来を思い描いています。

Stationはこのビジョンの基礎を築き、Feather(*1)によってチェーン生成を自動化するチェーンに即時のチェーン間ウォレット機能を提供します。そして「Alliance」によって他の経済的同盟を形成するチェーンに「クロスチェーン取引を実行するための使いやすく、統合しやすいウォレット」を提供します。

(*1)Feather：プログラミング言語間での行き来が自由で、かつ読み書きが高速なデータ保存用の軽量なフォーマット。

今日、私たちはこの未来に近づくための重要な変曲点を迎えました。Terraは直感的でシンプルなデザインの伝統を守り続け、Cosmos全体のユーザーと開発者は、クロスチェーン体験をシームレスでより楽しいものにするStationウォレットにアクセスすることができるようになりました。

ステーキングをよりシンプルに「Quick Stake」

プルーフ・オブ・ステーク（PoS）ネットワークに参加しようとするユーザーにとっての課題の1つは「ステークを委任するバリデータを選択するプロセス」です。多くの選択肢がある中で、どれが適切かを見極めるのは難しいことです。

多くのユーザーはこの負担を回避するために、リストの最初に表示されるバリデータにステークすることを選択し、結果的にネットワークの中央集権化に事実上貢献してしまっているのです。

そこで登場したのが「Quick Stake（クイックステーク）」です。この機能は、Stationがサポートするすべてのチェーンにおいて、投票力や過去の実績などの「事前に公開された特定の基準に基づいてバリデータを自動的に選択し、ステークすることでステーキングプロセスを合理化するもの」です。ユーザーは希望のチェーンとステーキング金額を選択するだけで、あとはStationが処理を行います。

Quick Stakeは分散化に最適化されており、以下の基準で各ネットワークのバリデーターを選択します。

投票力上位33％以内のバリデータであること
過去3ヶ月にスラッシング(*2)が発生していないこと
手数料が5%未満であること
アクティブセットであること

(*2)スラッシング：バリデータ運用において二重の支払い等の不正行為と見なされるものを行った場合に、ステーキングしているトークンのうち一定の数量を罰金としてネットワークに徴収されること。

次世代の仮想通貨管理

複数のウォレットやチェーンを使用している場合、仮想通貨のポートフォリオを管理・追跡するのは大変な作業になることがありますが、新しくなった「Station」でその心配は必要はありません。Stationの使いやすいインターフェースと明確なアセット構成により「資産を追跡したり、情報に基づいた意思決定」を簡単に行うことができます。

Stationでは例えば以下のようなことが可能です。

新しいトークンを追加
ポートフォリオを一目で確認
Stationのポップアウトサイドバーウォレットを使ってチェーン間で素早くトークンを送受信

さらに、Stationのようなノンカストディアルウォレット（自己管理型ウォレット）と呼ばれる「ユーザー自身が秘密鍵を管理するウォレット」は、CEX（中央集権取引所）のようなカストディアルウォレットにはない「いくつかの利点」を提供します。

カストディアルウォレット（取引所ウォレットなど）を使用する場合は「自分の資金を管理している組織がその資金を適切に保護し、確実に出金させてくれること」を信頼しなければなりません。しかし、カストディアルウォレットのプロバイダーがセキュリティ侵害に遭ったり、財政難に陥ったりしてユーザーの資金が失われたり盗まれたりする事件が何件か発生しています。

一方、ノンカストディアンウォレットは、ユーザーが自身の秘密鍵を保持し、自己資産を管理することができます。つまり、ユーザーは自分の資金を単独で管理することができ、資金へのアクセスや出金などで第三者に依存する必要がないのです。カストディ詐欺の事例がCEXの根本的なリスクを露呈している現在の環境では、ノンカストディウォレットの重要性はより一層明白になってきています。

Stationのような分散型の自己管理型ウォレットでは、ユーザーがウォレットレベルで直接資金を管理できるため「資産に対する安心感と完全なコントロールが可能」になります。

ガバナンスの一括管理「Interchain Governance」

Station上のガバナンスハブでは、ユーザーはサポートされているすべてのチェーンの Proposal（提案）を1つの便利な場所で閲覧し、投票することができます。これにより、ユーザーはさまざまなネットワークのProposalに関する最新情報を得るために、異なるインターフェースやプラットフォームを切り替える必要がなくなり、時間を節約することができます。

Stationのガバナンスハブには「投票・入金・可決・拒否」という4つのタブがあります。

投票：投票期間中のProposalを表示
入金：入金待ちで、まだ投票が行われていないProposalを表示
可決：十分な支持を得て承認されたProposalを表示
拒否：十分な支持を得られず却下されたProposalを表示

ユーザーはこれらのタブを切り替えることで、さまざまな提案の状況を確認し、希望するチェーンのガバナンスプロセスを常に把握することができます。

チェーン統合と今後の予定

Stationは「Terra・Osmosis・Juno・Kujira・Carbon・HuaHua・Crescent・Terra Classic・Mars（testnet）・Sei（testnet）」のサポートを開始しましたが、2月までに他の多くのチェーンが追加されると予想しています。

また、以下のような10種類以上の他チェーンとの統合が積極的に進められています。

Akash
Andromeda
Cheqd
Comdex
Cosmos Hub
Injective
Prism
Quicksilver
Regen
Secret
Stargaze
Stride

注：各チェーンには独自の技術的パラメータがあるため、特定の統合に時間がかかったり、不可能になったりすることがあります。

チェーン連携のお知らせや機能追加など、Station関連のニュースをTwitterで配信します。@StationWallet をフォローして通知をオンにして、新しいチェーンが追加されたときに通知を受け取れるようにしておいて下さい。

Stationを使い始める方法

あなたがStationにウォレットをインポートしようとしている既存の仮想通貨ユーザーであっても、初めてStationウォレットをセットアップする新しいユーザーであっても、これらのガイドを利用するとすぐに使い始めることができます。

重要：既存のウォレットをStationにインポートするには（例：Terra Station、Keplrなど）、ユーザーはニモニックシードフレーズを入力する必要があります。Stationは同じニーモニックシードフレーズから各チェーンのユーザーのウォレットアドレスを導き出します。118派生パスを介して作成されたウォレットに保有されるトークンを検出するために、ニーモニックシードフレーズをリロードする必要があります。
シードフレーズの詳細についてはこちらのページを参照してください。

: シードフレーズとは？Terra Stationウォレットの復元方法を画像付きで解説
「シードフレーズ」さえあれば機種変更した際やパスワードを忘れてしまった場合でも自身の資産を復元することが可能です。この記事では、復元する際に必要となるシードフレーズの重要性と実際のTerra Stationウォレットの復元方法を画像付きで解説しています。
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DApp開発者に向けて

Stationがあるチェーンのサポートを追加した後、そのネットワーク上のDApp開発者は、ユーザーがStationウォレットを使ってアプリケーションに接続できるように、Station拡張機能を統合する必要があります。Station拡張機能を統合するには、Terra Docs内のガイドステップに従ってください。

もし、チームが統合に関して質問がある場合は、お気軽にTerra Discordに参加し「Stationチャンネル」にメッセージを送ってください。私たちのチームが喜んでお答えします。

Station体験の向上に向けて

Terraでは、ユーザー体験を向上させ、アプリを可能な限り便利で楽しいものにする方法を常に模索しています。新機能の提案や、思うように動かない点についての質問、Stationをより良くする方法についての意見など、ぜひお聞かせください。

皆様のフィードバックは非常に貴重であり、Stationを最高のものにするための一助となります。

フィードバックをするには、Terra Discordに参加し「#Station」にコメントを入れてメッセージを送信してください。

今後の展望

8ヶ月前、Terra経済はこれまでで最も厳しい試練に直面しました。しかし、他の人たちが手を引くような状況でもTerraのコアコミュニティは揺るがず、再構築の準備を整えていました。その結果生まれた最初のイノベーションの1つが「Station」です。このStationは「分散型経済・オープンソースのイノベーション・クロスチェーンのコラボレーション」など、私たち全員が誇りに思える未来を築くための重要なステップを象徴しています。

Stationは、チェーン間の体験がどのようなものであるべきか、スムーズでシンプル、そして直感的であるべきだと改めて考えました。そして、ユーザーや開発者は不要な複雑さを排除し、チェーン間で好きな資産を簡単にステーキングや投票、送受信できるウォレットを利用することができるようになりました。

新しいチェーンや機能が追加されるにつれて、Stationはすべての仮想通貨トランザクションに署名する単一の場所、つまりチェーン間トランザクション実行の標準的な中心地となるよう進化していくことでしょう。

Stationに関する各種リンク

チェーン間の体験を変える「Station」のダウンロードとその他の有用なリソースへのアクセス。

注：デスクトップ、Chrome、またはFirefoxにTerra Stationをすでにダウンロードしている場合は、アプリを再度開くか、拡張機能を更新することでStationに更新されます。

その他の資料

Web3の未来はTerraで築かれます。Terraが提供するものを以下の資料も活用してみて下さい。

『Introducing Station』の原文はこちら

Terra Stationに関する記事

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