この記事は、Terra Classic開発チーム「Terra Allies」の共同リーダーであるBilbo Baggins氏(@OhhBilboBaggins)が2023年6月24日に公開した提案『Terra Allies "Six Samurai" Senior Engineering Team (L1 / L2 Q3 Bid & Proposal)』の内容を日本語訳した記事となります。
提案の要点
- LUNCには「無限の可能性」がある
- 独自サイト「Classicポータル」の構築も含まれる
- 第3四半期の総支出は$116,000(約1,668万円)
開発チーム「Terra Allies」の概要
これは、私(Bilbo Baggins)とSolid Snake氏が共同リーダーを務める「Terra Allies」のシニアエンジニアリングチーム "Six SAMURAI (6人の侍)" の第3四半期支出案です。
私たちは「Terra Classic(LUNC)チェーンが進むべき道に進むのを助けること」を目的とし、ブロックチェーンに価値をもたらすために経験豊富な業界のベテランたちでこのチームを結成しました。
チームは無駄がなく経験豊富で、私たちは皆、情熱的なLUNCホルダーであり、ブロックチェーンの復活と分散化にコミットするコミュニティメンバーです。
もしこの提案が通れば、チーム全員が四半期中それぞれの職務を全うすることに専念するため、コミュニティは誰かが途中で辞めることを心配する必要はありません。
私たちは「競争と選択肢はエコシステムにとって良いことである」と信じています。
Terra Classic開発チーム「Terra Allies」活動・予算提案|Bilbo Baggins
この記事は、Terra Classicの開発者、バリデータ運営者であるBilbo Baggins氏が2023年4月20日に公開した提案『Terra Allies Development Team Spending Proposal & Trial Period』の内容を日本語訳した記事となります。
続きを見る
LUNCの可能性
LUNCには「無限のアップサイド・ポテンシャル(上振れする可能性)」があります。
エコシステムの真の復活を成し遂げるために、私たちのスキルを活用してブロックチェーンとその投資家すべてに価値をもたらすことで、その実現に貢献したいと考えています。
そのために、私たちは大変な仕事を遂行する覚悟です。また、私たちはLUNCで開発を委任された他のチーム(RedlineDrifterの リペグ 提案に取り組んでいる新しく結成されたUSTCクオンツチームなど)と連携し、協力するつもりです。
USTCリペグ案のモデリング・シミュレーション提案|RedlineDrifter
この記事は、Terra Classicの開発チーム「Terra Rebels」の元メンバーであるRedlineDrifter氏が2023年6月14日に公開した提案『Modeling and Simulation for the USTC Incremental Repeg Buybacks & Staking Swaps Proposal by Redline』の内容を日本語訳した記事となります。
続きを見る
ただし、他のチームが行っている作業を侵害することはありません。
実際には、複数のグループがチェーンの全体的な利益とより大きな利益のために協力し合うと同時に、完全に分離し、完全に主権を持ち、自律的であり、互いのつま先を踏まないことを意味します。
Terra Alliesの第3四半期ロードマップ
L1について
上記の目標を念頭に置いて、私たちは以下のロードマップを作成しました。
- Columbus-5からColumbus-6への移行
- 理由:アーカイブノードの同期時間を短縮し、ネットワークの効率化を図るため
- Cosmos SDK v0.46.xにアップデート後、Cosmos SDK v0.47.xにアップデート
- 理由:コミュニティとチェーンが最新のCosmos SDK機能にアクセスし、利用できるようにするため
- USTCのテストネットを確立する
- 理由:USTCのテストネットはガバナンスに合格しており、第4四半期の「Market Moduleの取り組み」に必要となるため
- アライアンスモジュールの実装
- 理由:チェーン間のステーキングを活用し、クロスチェーンでの利回りを可能にするため
- FeeShareモジュールの実装
- 理由:コントラクト開発者が、そのコントラクトで発生したガス料金の一部を受け取れるようにするため
プロトコルレベルの分散化
「コミュニティ・サブプール」の確立
予算編成とキャッシュフロー管理を改善するため「コミュニティ・サブプール」を設立します。
理由としては、現在、多額の支出があり「コミュニティプールではすべての取り組みに資金を供給する余裕がないため」です。
コミュニティは、資金とキャッシュフローの管理を改善する必要があり、コミュニティ・サブプール構想は "その改善のための第一歩" となるものです。
コミュニティ・サブプールを使用すると、コミュニティはコミュニティ プールをユースケース固有の「サブプール」に「再分割」でき、ガバナンス パラメータによって決定される比例的な方法で以下のようなサブプールに自動的に割り当てることができます。
- 「L1」コミュニティ・サブプール
- 「USTC」コミュニティ・サブプール
- 「補助金」コミュニティ・サブプール
- 「バグ報奨金」コミュニティ・サブプール
- 「Binance Remint Burn Refund」コミュニティ・サブプール
そして、ガス料金からコミュニティ・プールに送られる資金の配分比率と、各サブプールが保有できる資金の上限を指定します。
例えば、コミュニティ・プールとそのサブプールについて、コミュニティ・プールが現在のディストリビューションモジュールから得ている料金をこれらのプールに分配する方法と同様に、以下のように設定することができます。
- 分配された資金の50%をコミュニティ・プールに分配
- 15%を「L1」コミュニティ・サブプールに分配(上限:$100,000)
- 15%を「USTC」コミュニティ・サブプールに分配(上限:$100,000)
- 10%は「補助金」コミュニティ・サブプールに分配(上限:$1,000,000)
- 10%は「バグ報奨金」コミュニティ・サブプールに分配(上限:$25,000)
- 10%は「Binance Remint Burn Refund」コミュニティサブプールに分配(上限:$500,000)
【注意点】
上記の金額は完全に任意であり、説明のためのものです。
現実世界のシナリオでは、割り当てられる金額と最大上限がいくらであるべきかという観点から、コミュニティがこれらの金額を決定することになります。
あるサブプールで許容される資金の上限に達すると、そのサブプールに割り当てられたパーセンテージ分は、まだ上限に達していない残りのサブプールで比例配分されます。
もしコミュニティがこのコンセプトをさらに検討したいのであれば、私たちは喜んでこの件について別の提案をさせていただきます。
私たちは、第3四半期の計画をコミュニティに説明するために、このコンセプトをこの提案に含めているだけです。
分散型助成金プログラムの確立
分散型の助成金プログラムを確立します。
理由としては、もしコミュニティ・サブプールがブロックチェーンのコンセプトとして採用されれば「分散化された信頼を必要しない助成金プログラムが非常に可能になるため」です。
分散型報奨金プログラムの確立
分散型報奨金プログラムを確立します。
理由としては以下の通りです。
- コミュニティ・サブプールのもう一つの延長として、バグ報奨金、ブロックチェーンの様々な側面(L1、L2、その他)のため
- 必要に応じてマーケティングに基づくタスクなど、アドホックな作業の完了に結びついた分散化された信頼を必要としない報奨金プログラムを実行することもできるため
ワーププロトコルの実装を検討
「ワーププロトコル」の実装を検討します。
理由として、ワーププロトコル は「オンチェーンでの自動化を可能にするため」です。
これは、コミュニティが設定できる条件に基づいて信頼できる自動化された方法で、チェーン上で活動する個人(またはチーム)に資金をリリースする機会を探ることを可能にします。
これにより、資金が個別のウォレットに長期間保管されることを心配する必要がなくなり、最終的にコミュニティプールに返還される単一のチームとの関係を強化することができます。
さらに、オラクルを介してオフチェーンデータを使用することでこれらの条件をオンチェーンでトリガーし、コミュニティが以前から望んでいた「潜在的に興味深いワークフロー」を作成することも可能となります。
現時点ではさらなる研究が必要ですが、例えば、理論的にはGithubのリリースに基づいてオンチェーン資金でチェーンに携わる開発者に報酬を与えることも可能です。
Stationインフラストラクチャの分散化
バリデータ CDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)の確立によるStationインフラの分散化を進めます。
理由として、これはウォレットでもフロントエンドでもなく「コミュニティにはすでにウォレットの選択肢があるため」です。
その代わりに、私たちが設立しようとしている分散型の助成金や報奨金プログラムを利用して、複数のバリデータやネットワーク参加者が自分自身のフル ノード やアーカイブノードを設立し、ネットワークのための「FCD/LCD/RPC/GRPC」の運営に貢献できるような手段を提供しようと考えています。
これにより、一部のバリデータ(Allnodes と Terra Rebels)にインフラリスクを集中させるのではなく、アクティブなバリデータ全体にインフラリスクを分散させることができます。
また、CDNに貢献するためにノードの運営にコミットするバリデータ全体にコストが分散されるため、インフラコストも削減できます。
また、Rebel Stationのような Dapps でこのCDNのコンセプトを実装し、Stationのフロントエンドに統合することをサポートした場合、特定の区域に近いノードをホスティングしているバリデータに接続することで、ユーザーにとってより良いエクスペリエンスを提供することができます。
CDNとは何か、そしてCDNが私たちのブロックチェーンにどのような利益をもたらすか(バリデータのアクティブセット全体がすでにデファクトCDNであるため)については こちら をご覧ください。
第2四半期の未処理事項
Keplr・Mintscan への上場
KeplrとMintscanへのTerra Classic上場を目指します。
理由として、Terra Classicが Cosmos と技術的に同等になりつつある今「KeplrとMintscanへの上場を目指すのに適切なタイミングと考えられるため」です。
マーケットモジュールとスワップがまだ完全に固定されていないとしても、Cosmos全体はすでに私たちの存在を知っており、どこにも行くつもりはないことを理解しています。
「パリティ・アップグレード」後の影響分析
2023年6月14日に実行された「パリティアップグレード」後の影響を分析します。
理由として、パリティアップグレードの結果「現在チェーン上の多くのDappsや スマートコントラクト が壊れてしまっているため」です。
壊れたスマートコントラクトやDappsを特定し、それらのスマートコントラクトやDappsの開発者と協力して、パリティアップグレードの結果壊れた機能を復旧させるための可能な道筋を特定します。
新たなOracle Feederへのアップグレード
新しいOracle Feederへのアップグレードを進めます。
理由としては、現在までのところ「このタスクはアクティブセットによって(我々の知る限り)完全に完了していないため」です。
テストネットへのバリデータ参加の増加
バリデータのテストネットへの参加数を増やすことに尽力します。
理由として、バリデータがテストネットに参加すればするほど「将来のアップグレード、マーケットモジュールの機能変更を検討し始めたときの信頼性が高まるため」です。
後回しにするのではなく、より積極的にバリデータをテストネットに参加させるよう努力することがチェーンにとって最善であると考えています。
バリデータドキュメントの改善
L1、L2、バリデータのドキュメントの改善を進めます。
理由としては、現状では「チェーンの多くの部分についてドキュメントが古く、チェインを始めたばかりの人がどこから始めればよいのかわからないため」です。
この問題を解決するために、Classicポータルのサイトに新しいドキュメンテーションのセクションを作成することで、この問題を解決しようと考えています。これについては、次の章で詳しく説明します。
Classicポータル
上記のタスクに加えて、私たちは第2四半期を通してコミュニティの多くの人々から「コミュニティが情報・教育・エコシステム発見に使用できる "Classicポータルサイト" を構築してほしい」というリクエストを受けました。
Classicポータルを考える良い方法は、私たちのコミュニティが今持っていない欠けているピースの1つ、つまり「Terra.money」に代わる独自のサイトです。
Terra Classicの持つ活気あるエコシステムを発見するためのジャンプポイントとして使うことができ、ユーザーは簡単にDappsや他のコミュニティハブ、そして(開発者はきっとこれを気に入るだろう)ドキュメントを発見することができるでしょう。
Classicポータルのようなコンセプトの可能性は本当に無限であり、コミュニティ・サブプールコンセプトのように、このコンセプトを詳細に議論するためにコミュニティに新たな提案をさせていただきたいと思います。
コミュニティ・サブプールと同様、Classicポータルは私たちが第3四半期にコミュニティに提供したい価値という点で、私たちの頭がどこにあるのかをコミュニティに知ってもらうために、この第3四半期の提案に含めているだけです。
また、言うまでもないことですが、私たちはClassicポータルをオープンソース製品としてリリースし、コミュニティがそれに貢献したり、フォークして改良したりできるようにするつもりです。
他のチームへの協力
Terra Classicが分散型ブロックチェーンであることは言うまでもありません。
そのため、私たちはこのブロックチェーン上で、分散化と仮想通貨、および DeFi の倫理に沿った方法で行動します。
繰り返しになりますが、私たちのスタンスを紛れもなく明確にするために、私たちはLUNC上で開発を委任された他のチームと喜んで調整し、協力します。
「Six SAMURAI(6人の侍)」チームと予算
チームはBilbo Baggins(シニア・ソフトウェア・エンジニア/アーキテクト)とSolid Snake(シニア・エンジニア/システム・アーキテクト)が共同で指揮を執り、二人はコミュニティとの連絡役も務めます。
また、LUNCホルダーが時間を費やすオンラインスペースの多くに頻繁に出入りしているため、両者ともすぐに連絡が取れ、交流が可能です。
私たちは、LUNCホルダーに開発チームへのライフラインを提供し、透明性を維持し、コミュニティからのフィードバックを求めることを目的としています。
チームメンバー
2人の共同リーダーに加え、以下の4名のシニアエンジニアを加えます。
- NotJoshC
- MangoChutney
- Chopstick Sensei
- Mycetism
彼らは全員、数十年のプログラミング経験を持つベテランで、コミュニティはすでに彼らの経歴をよく知っているでしょう。
第3四半期に新たに加わったMycetismはコミュニティメンバーであり、10年以上の開発経験を持つシニアフロントエンド開発者で、BilboとMangoChutneyと共にClassicポータルを担当する予定です。
LUNCコミュニティプールの現状と、開発および開発者のための持続可能な資金調達の問題により、私たちはこの事実に対応するために通常の報酬を大幅に減額しただけでなく、これらの資金調達と持続可能性の問題を解決するための支援を中心に第3四半期の提案を行います。
予算内訳
- Bilbo Baggins:$7,500(x 3ヶ月)= $22,500
- Solid Snake:$7,500(x 3ヶ月)= $22,500
- NotJoshC:$5,500(x 3ヶ月)= $16,500
- MangoChutney:$5,500(x 3ヶ月)= $16,500
- Chopstick Sensei:$5,500(x 3ヶ月)= $16,500
- Mycetism:$5,500(x 3ヶ月)= $16,500
- 第3四半期全体の運営予算:$5,000
第3四半期の総支出は$116,000(約 1,668万円)です。
これを2回に分けて支払うことで、コミュニティによるキャッシュフローをよりよく管理し、より均等に分散させることができます。また、支払いの半分が2回目の支出に充てられるため、リスクも軽減されます。
コミュニティはチームが説明責任を果たし、満足のいく仕事が提供されたことを確認するためにこれらの各支払いについて個別に投票することができ、資金がコミュニティプールから一括で引き出されることはありません。
この案が可決されれば、チームが作業を開始できるように第1回目の分割払いがリリースされ、その8週間後に第2回目の案が投票にかけらます。
LUNCの正確な換金率は、各案が投票用にステーションに送られる際にその時点でのLUNC価格に応じて計算されます。
最後に
LUNCコミュニティおよびバリデータの皆様におかれましては、上記の「ROADMAP」セクションに記載された成果物に取り組むため、6名のシニアエンジニアからなるチームへの支出案をご承認くださいますよう、謹んでお願い申し上げます。
チームメンバーはパートタイムで働きますが、ロードマップを達成するために必要であれば時間数を増やします(コミュニティには追加費用はかかりません)。
私たちはエコシステムの復活に向けて価値を提供するためにここにおり、開発者として、また長年のコミュニティメンバー、投資家としてTerra Classicブロックチェーンへの貢献者であると考えています。
Terra Alliesのシニア・エンジニアリングチームに対するこの第3四半期の支出提案に同意する場合は「YES」に投票してください。
Terra Alliesのシニアエンジニアリングチームに対する第3四半期の支出提案に同意しない場合は「NO」に投票してください。
賛成でも反対でもないが、この議案が定足数に達するのを助けたい場合は「Abstain」に投票してください。
このチームとLUNCでの活動に資金を提供することに激しく反対なら、「NO WITH VETO」に投票してください
『Terra Allies "Six Samurai" Senior Engineering Team (L1 / L2 Q3 Bid & Proposal)』の原文はこちら