※この記事は、Terra ClassicコミュニティメンバーであるDfunk氏(が2023年3月20日に公開した提案『New Economic Policy for Terra Classic: Set of 4 Proposals to Align Incentives』の内容を日本語訳した記事となります。
提案の要点
- ステーキング報酬を強化することで需要を増加させる
- コミュニティプールの資金を増やすことで開発資金を確保
- スマートコントラクトをホワイトリスト化することでユーティリティを増やす
Terra Classicにおけるインセンティブ調整の概要
この提案は、Terra Classic(LUNC)の経済的な調整をより良くするための4つの提案で構成されています。これらの提案の目的は以下の通りです。
- ステーキング 報酬を強化することで需要を増加させる
- コミュニティプールの資金を増やすことで開発資金を確保する
- Burn(バーン)数量を増やすことでLUNC供給量を減らす
- スマートコントラクト をホワイトリスト化することでユーティリティ(実用性)を増やす
なお、それぞれで提案が作成され、個別に投票される予定となっています。
ステーキング報酬の充実による需要の拡大
2023年3月1日に実施されたv1.1.0アップグレードでは、Burn AnteHandlerがBurn Taxをコミュニティプールに分配するよう修正しました。この提案では、Burn AnteHandlerを修正し、代わりに「Burn Taxをディストリビューションモジュールに分割すること」を提案します。
この理由は「ディストリビューションモジュールはすでに収益の50%をコミュニティプールに分配しているから」です。コミュニティプールの代わりにディストリビューションモジュールにBurn Taxを分配することでステーカーも利益を得ることができ、その結果、コミュニティとの幅広い連携が生まれてステーキングとLUNCの需要が高まります。
この点については、すでに以下のAgora提案内で議論されています。
L1 開発チーム「L1 Task Force」による次の ガバナンス 投票にこの機能を含めるためのシグナリング提案がステーションで公開される予定です。
Terra Classic:オプション機能に関するシグナリング提案|Prop 11358・11359・11360
この記事は、Terra Classicの著名な開発者である Edward Kim氏 が2023年2月15日に公開した提案『Signaling Proposals around 3 Optional Features in the next release』の内容を日本語訳した記事となります。
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コミュニティプールの資金を増やして開発者資金を確保
1つ目の提案は必然的にコミュニティプールに分配される資金を減らすことになるため、開発者の資金に影響を与える可能性が高くなることが想定されます。これを補うために、Burn Tax AnteHandlerの分配を「90:10」から「80:20」に変更することを提案します。
これは、ステーションでのパラメータ変更案として提案される予定です。
Burn税率の引き上げでLUNC供給を減らす
ステーキングによってLUNCの需要を増やすと同時に、Burn TaxによってLUNCの供給量を減少させることに注力する必要があります。そこで「Burn Taxを0.5%にすること」を提案します。
この理由は、Burn Taxはトービン税などの 通貨取引税 の一種だからです。多くの経済学者たちによって0.1% ~ 1%程度の金融取引税の税率が理想的と提唱されていましたが、ノーベル経済学賞受賞したトービン税の提唱者「James Tobin(ジェームズ・トービン)」自身はインタビューで0.5%の税率を提案していました。
これは、ステーションでのパラメータ変更案として提案される予定です。
※ Burn Taxはトービン税から再利用されているので、税率を0.5%にすることとは別に、Burn Taxの名称をトービン税に変更することを推奨
スマートコントラクトのホワイトリスト化
Burn Taxの引き上げは、DEX などの Dapps のボリュームと使用率の低下を引き起こす可能性があります。これをカバーするために、私は「TerraswapやAstroportなどのDapp契約をホワイトリスト化すること」を提案します。
これについては以下のAgora提案内で詳しく解説しています。
これによってBurn Taxの引き上げによる悪影響を打ち消すことができると考えています。
この機能をガバナンス投票に含めるためのシグナリング提案がステーションで公開される予定です。
『New Economic Policy for Terra Classic: Set of 4 Proposals to Align Incentives』の原文はこちら