Terra Classic(LUNC)

Terra Classicの復活に向けて「機械学習Cosmosモジュール」を開発|Edward Kim

※ アフィリエイト広告を利用しています

※この記事は、Terra Classicの著名な開発者である Edward Kim氏 が2023年3月21日に公開した提案『Finding our Identity Block by Block』の内容を日本語訳した記事となります。

提案の要点

  • 現在の問題は「不安定な土台の上に自分たちのアイデンティティを築こうとしていること」
  • コンセンサスレイヤーを超える計算能力を利用するカスタム機械学習Cosmosモジュールを開発
  • 機械学習によって効率的な開発を実現し、IBC経由でTerra Classicへの接続が可能

Terra Classicは何を目指すのか

数週間前、DJ Trev氏(@edTreb001)の「家の基礎作り」に関する動画を見たのを覚えています。家の基礎は構造物全体の中で最も重要な要素です。基礎の上に柱などが築かれ、建物全体を安定させる役割を担っています。基礎がしっかりしていないと構造物全体が崩れたり、不安定になったりする危険性があります。

私たちが現在直面している問題は「沈みゆく砂の上に基礎を築き、自分たちのアイデンティティを見出そうとしていること」です。この数週間、毎日新たな挑戦と障害に見舞われ、エコシステムが基礎を崩しているように見えます。

規制当局による強制措置や金融機関の破綻が間近に迫っている中、私たちは地震のような出来事に耐えなければならない状況にあるのです。

このような時にこそ「私たちは何者なのか」「私たちの価値観は何なのか」そして「私たちが目指すところはどこなのか」を考えなければならないのです。私は Alex Forshaw氏 が2023年1月に公開した記事「LUNCに必要なプロダクトビジョン」を思い出しました。USTはかつてTerraを代表するトークンでしたが、金融や規制の面で大きな逆風にさらされています。

関連記事
LUNC(Terra Luna Classic)に必要なのはプロダクトビジョン|4lex_4sh4w

※この記事は、Terra Classicの開発チーム「ToxicLabs」のメンバーである4lex_4sh4w氏(@4lex_4sh4w)が2023年1月7日に公開した『LUNC Needs a Pr ...

続きを見る

また同じ道を歩むのでしょうか?

この数ヶ月間、私は自分の役割について考えてきました。私や私たちのアイデンティティを受け入れ、どのように技術革新を起こすかについて、私の葛藤をこの記事で共有したいと思います。

Cosmos(コスモス)のアイデンティティ

"ブロックチェーンのインターネットか、あるいはFat Protocolか"

マクロレベル(Cosmos全般)では、アイデンティティの問題で悩んでいるのだと思います。Cosmosは、独立した並列ブロックチェーンの分散型ネットワークで"Internet of Blockchains"と呼ばれる「異なるブロックチェーン同士が効率的に通信できるエコシステムを作ること」を主な目的としています。アプリケーション特化型ブロックチェーン(アプリチェーン)と、CosmosおよびTendermintのエコシステムとの統合に焦点を当てています。

アプリチェーンの背景にある考え方は、イーサリアムのような画一的なブロックチェーンではなく「特定のユースケースやアプリケーションに合わせることに特化したブロックチェーンを作る」というものです。これにより、各アプリチェーンを特定の目的に合わせて最適化することができるため、スケーラビリティ、セキュリティ、カスタマイズ性がより向上します。

Cosmosは、ブロックチェーン間通信(IBC)プロトコルなどのツールを提供することで、これらのアプリチェーンの作成を容易にし、これらのアプリチェーン間の通信や資産、およびアカウントの転送を可能にしてエコシステム全体の実用性を高めています。

しかし、現在では「Fat Protocol」の考え方が主導的な役割を担っています。

Fat Protocolとは、あらゆる種類のアプリケーションやユースケースをサポートする全体的にまとまったブロックチェーンを想定し、ネイティブトークンとプロトコルへの需要を喚起するものです。この考え方は、インターネットの黎明期と似ています。当時の人々は「単一のスーパーコンピューターが最善のアプローチであり、他の誰もがその中央のマシンでリモート端末を開くだけである」と信じていました。

実際、Cosmos関連のブロックチェーンの多くは似たようなことを志しており、プロトコルレベルでの明確な差別化はあまりないように思われます。LUNCでのユーティリティの呼びかけも同様に、Terra Classicが L1 の上でさまざまな L2 アプリケーションをサポートできるFat Protocolの推進を後押ししているように思えます。

私はこの重要性を軽視したくはありません。最新のコスモスとwasmサポートを使ってチェーンをアップグレードすることは、LUNCの将来にとって絶対に重要です。しかし、アプリケーションに特化したブロックチェーンというコンセプトがCosmosエコシステムの中核的な原理であることを考えると、Fat Protocolに代わるアプローチの探求も必要になります。

LUNC(Terra Classic)のアイデンティティ

"ミームコインか、あるいはユーティリティチェーンか"

ディペグ 前のLUNA(Terra)は、活発なエコシステムを持つトップクラスのL1ユーティリティチェーンであり、明らかに堅固なユーザーと開発者ベースを持つFat Protocolでした。

しかし、ディペグ後はすべてが変わりました。LUNCのユーティリティはほぼゼロになり、ミームコインとなったのです。LUNCの課題でもある「Burn(バーン)」という物語は、現在も ガバナンス における根本的な対立を引き起こしています。

このようにBurnやTax、ステーキング、資金調達のピンポン現象は「LUNCの分裂した人格の結果」であり、おそらく当分の間この状態が続くと考えています。

この対立は白熱し、時には最悪の事態を招くこともありますが、双方が自分たちのアイデンティティを受け入れ、互いの強みを生かすことができればチャンスもあります。チェーンにユーティリティをもたらすには「開発者や開発チームがTerra Classic上にサービスを構築することが重要」です。

そのためには、インフラや Dapps、L1への投資が必要となります。また、チームやプロジェクトに対してTerra Classic上で開発するようにインセンティブを提供することも必要でしょう。

Burnは知名度と関心の向上を促して投資家を惹きつけ、ミーム性は高度な参加型コミュニティ主導のイニシアチブで分散型の成長を生み出します。

チェーン上のビルダーは数人ですが、私たちのエコシステムの現状を考えると、Terra Classic(LUNC)は「より多くのユースケースと実用性を含むように進化するミームコインである」と言うのが適切でしょう。

Edward Kim個人のアイデンティティ

"機械学習の科学者か、あるいはブロックチェーンエンジニアか"

過去15年間、私は人工知能のサブフィールドであるコンピュータビジョンの研究を行ってきました。私は大学で機械学習を教え、査読を通過した信頼性の高い学術論文を発表し、外部資金を得て機械学習における未解決の問題の調査やアプリケーションを構築しています。この点から私は書類上では「機械学習の科学者」であると言えます。

しかし、過去2年間、私はブロックチェーンの世界で夢中になって副業をしてきました。最初の頃は、GPUマイナーの構築やコードベースの理解を深めていました。2022年5月のUST崩壊後、私はCosmosとTendermintに深く関わるようになり、アプリケーションレベル、ネットワークコンポーネント、コンセンサスメカニズムに深く潜るようになりました。

さらに、L1開発チーム「L1 Task Force」に所属し、この1年で5つのチェーンアップグレードに貢献しました。挨拶などで自己紹介するとき、機械学習に加えてブロックチェーンにも取り組んでいることを話すことがよくあります。

ここに私のアイデンティティーの危機があります。最初のステップとしてまずは「自分自身や周りの人に正直であること」が重要であると考えています。

私は書類上では機械学習の科学者ですが、事実上「Fat Protocol」であるミームコインのブロックチェーンエンジニアです。この考えに異論を唱える方もいらっしゃるかもしれませんが、これが今のところ私が信じていることなのです。これらのどれもが本質的に「悪い」ものではないことを強調しておきますが、約1年前に皆さんとTerra Classicを復活させる旅に出たとき、私が今日この立場にいるとは思っていませんでした。

また、自分自身について深く考えてみると、興味や興奮が薄れ、内発的なモチベーションが低下していることにも気付かされました。そこで、自分自身のアイデンティティを変えるために行動することに決めたのです。

強みを生かした革新的な取り組み

この数週間で私自身が進むべき道が明確になり、それは私たちの強みに直結するものでした。最近のAI(特にdiffusionやChatGPTなどの生成系AI)の進歩により、AIの有用性は爆発的に高まっていますが、すぐに計算が追いつかなくなります。

例えば、OpenAIのGPT-3では、$1,200万以上のトレーニング費用が必要で、このモデルのトレーニングに伴うカーボンフットプリント(*1)は、デンマークの家庭126軒分の1年間の出力に相当します。これは大量のデータを入手し、ラベルを付けるためのコストさえもカバーされていません。現時点では、個人や中小規模の組織で最先端の機械学習モデルの開発、検証、運用までできるわけがないのです。

(*1)カーボンフットプリント:商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算して、商品やサービスに分かりやすく表示する仕組み

一方、ブロックチェーンの計算能力に不足はありません。ビットコインを動かすための計算能力は、1秒間に約40~50エクサハッシュ(1エクサハッシュ = 1秒間に100京回のハッシュ計算)です。これは世界で最も強力なスーパーコンピューターの演算能力を合わせたものより数段大きいものです。

ビットコインネットワークは、再利用できない特殊な単一目的のハードウェアを利用していますが、イーサリアムネットワークは世界最大のGPU分散型ネットワークであり、このネットワークで利用できる計算力は紛れもなく巨大なスケールでした。しかし、ハッシュレートが他の Proof of Work(PoW)チェーンを圧倒した際に採算が合わずにMerge後に約8割のイーサリアムマイナーがオフラインになりました。

この問題への対策がまだ未開拓のままの状態であり、このネットワークをどうにかしてAIに取り込むことはできないだろうかと考えています。

私は機械学習とブロックチェーン技術の両方に精通しているため、この2つの理想的な融合について独自の洞察を得ることができました。今回、私が取り組んでいる研究プロジェクト、AIの力を分散化する「Cosmos Proof-of-Stake machine learning application specific chain」を紹介することに興奮しています。

私は、L1インフラと直接やり取りし、コンセンサスレイヤーを超える計算能力を利用するカスタム機械学習Cosmosモジュールを開発しました。Proof-of-Stakeバリデータノード に高性能なGPUを取り付けることで、ブロックチェーンに関わるすべての人に最先端の機械学習モデルへのアクセスを提供することができるのです。

私は、RAMなどの記憶装置のディスクスペースをアップグレードすることでイーサリアムのマイナーを再利用することができました。チェーン間ブロック通信(IBC)、そしてチェーン間アカウントにより、LUNCユーザーは最新の機械学習にアクセスできるようになります。

まだ詳細を詰めている段階ではありますが、アプリチェーンの定義を使用することで、迅速に開発や改善を行うことができます。以下の画像では、複数のテストネットバリデータによってホストされているアプリチェーンに既に組み込まれている機能の一部を示しています。

TestNetのStableDiffusion
カスタムCosmosモジュールの「MsgGenerateim」の送信
126軒のデンマークの家、村、夜、電気、照明、フォトリアリスティック
ブレードランナーのポートレートアート
HipHopを中心に様々なスタイルに変化するオーディオ
現在の生成AIコマンド開発状況
ChatGPTとのインターフェース
HDスペースとRAMを追加してCosmos機械学習用に再利用

今後3 ~ 6ヶ月の間にパブリックベータ版を構築してリリースしようと考えています。長期的には多くのノードで大規模な分散学習を行うために使用できるブロックチェーンを持つことが目標です。

大規模な言語モデルや基礎的な画像モデルを取り巻く、いくつかの大規模な業界独占の難解な性質に対処できる可能性があります。また、プライバシー保護や連合学習技術(従来の機械学習が持つ弱点を克服した新たな機械学習)、機械学習モデルのSNARK検証(ある計算が正しく実行されたことを証明)も視野に入れています。サイドチェーンのトークノミクスは、LUNCにとって特に重要な検討事項になるでしょう。

アプリチェーンをどのように活用したらLUNCの開発資金を援助し、LUNCとUSTの供給を減らすのを助け、LUNCの利用率を高め、そしてマイナーが計算処理に貢献するよう動機付けることができるでしょうか。私はこの部分を最初から正しく理解するために、ベテランの専門家と話し合っているところです。

要約すると、私は自分の脚本をひっくり返し、自分が最もインパクトを与えられるビジョンに沿うように、自分自身の新しいアイデンティティを構築しています。私はIBCでつながったLUNCのために、アプリチェーンユーティリティを構築する機械学習の科学者です。

私の個人的な目標とこのコミュニティへの貢献は、Cosmos、Terra Classic、そして私自身の個人的な経験のアイデンティティと強さを反復する復活へのストーリーを推進することに変わりました。

しかし、成功の保証はありませんし、現状を打破するための危険な取り組みです。十分な牽引力とネットワーク効果を得るためには、さまざまなことを正しく行う必要があります。しかし、もし条件が揃えば、LUNCは「Fat Protocol / アプリ」「ミーム / ユーティリティ」「機械学習 / クラウド / ブロックチェーン」をミックスしたこれまでに存在しなかったキメラブロックチェーン暗号通貨となり『大規模なユーティリティの価値提案を持つようになる』と私は予見しています。

アプリチェーンの論文の良いところは、他のコミュニティメンバーが自分たちの回復物語を推進し、USTCのように自分たちの方法で支援できることです。

その他のUSTC用アプリチェーン

私は機械学習のアイデアを公開しただけですが、Terra Classicに接続されたサイドチェーンを用いて迅速に技術革新を起こす方法について、コミュニティの他の人々と議論してきました。制御されたサンドボックスでアプリケーションやリスクの高いアルゴリズムを素早く試作し、IBC経由でTerra Classicに接続することができるのです。

私は、アプリチェーン技術に関する支援を申し出ており、また、実行のために法律家に相談することを勧めています。これについては、すでに良いパートナーを探しています。

刻々と変化する規制環境、特にTerraが最近の執行措置に近いことを考えると、私たちは、Terra ClassicのDAO(分散型自律組織)が分散型構造を維持しながら効率的に運営できるように、最も優れた手法や基本的な企業構造について中核貢献者の一部や幅広いコミュニティに助言できる法律顧問を雇うことが重要であると提言しています。

中央集権的な機関が存在しないため、DAOの法的代理は、分散的、民主的、かつ高度に協力的な方法で構成される必要があります。

前述したように、内部構造やチームは基盤を構築するために設置されていますが、最近の規制環境の進展に伴い、Terraにとって、内部構造や提案するアイデアを外界に合わせることがますます重要になってきます。

潜在的な法的リスクを抑え、長期的な持続可能性を視野に入れた構造を構築する必要性をコミュニティがますます認識するようになったと考えています。これにより、コミュニティとプロトコルは、活性化のための提案されたアイデアのいくつかを実行することができるようになります。

機械学習モジュール提供に向けた今後の予定

ここでは、短期的に行う具体的な次のステップの概要を説明します。

  • 今後3〜6ヶ月でベータ版をリリースするために、機械学習のCosmos App Chainを構築することに全力を注ぎます。必要に応じて、L1 Task Forceに助けを求めることになるでしょう。
  • USTCの課題に取り組む実験チーム(Xチーム)の合意獲得に貢献し、追加のApp Chainを通じて迅速に技術革新を起こせるようにします。もしこれが彼らの望む道であれば、私はボランティアでアプリチェーンレベルの技術に協力します。
  • CosmwasmとIBC Interchain Accountsをアップグレードするために、第2四半期にL1 Task Forceへの資金提供を継続します。必要であれば、私もボランティアで協力します。
  • TGF(Terra Grants Foundation)の運営をMarco Ferreira氏(@MFerr2634)に引き継ぎます。TGFの活動、支出、将来の計画に関する報告書は今週末に共有される予定です。
  • 法定代理人について、コミュニティから合意を得ます。
  • LUNCの価値提案を見つけ、展開するために反復し、革新していきます。

今、私たちは、Terra Classicに安全にファイヤーウォールされたアプリチェーンで「速く動き、物事を壊す」ことができ、未来が私たちをどこに連れて行くか見ることができると考えています。

人が速く動き、モノを壊す
『Finding our Identity Block by Block』の原文はこちら
Bybit公式サイト

LUNC(Terra Luna Classic)を購入できる取引所はこちら

-Terra Classic(LUNC)
-