Terra Classic(LUNC)

LUNCの再ミント停止とコミュニティプールへの送金|Edward Kim提案

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※この記事は、Terra Classicの著名な開発者であるEdward Kim氏(@edk208)が2022年12月28日に公開した提案『Refactor Burn AnteHandler and deprecate Seigniorage Reward Policy』の内容を日本語訳した記事となります。

提案の要点

  • 「自主的なBurnの裏で再ミント」は筋が通らない
  • RewardPolicyを0.0に変更して再ミントを停止
  • オンチェーンTaxの50%をコミュニティプールへ送金

コミュニティプールへの資金配分の仕組み

トレジャリーモジュール(*1)は約7日間で更新される各エポックごとにLUNC(Terra Luna Classic)の総供給量を記録し、前のエポックで記録されたLUNC総供給量から差し引きます。この計算で導き出された数字は「その週にBurnされたLUNCの枚数」を示します。

(*1)トレジャリーモジュール:ステーキングされたLUNC枚数などの定められた指標を観察し、ステーキングの税率と報酬を調整する機能。

このモジュールはもともと、マーケットスワップ(LUNCのBurn <> USTC・LUNCのミント <> USTCのBurn)を目的としています。BurnされたLUNCの一部はエポック終了時にシニョレッジ(ミントした通貨の額面と原価の差額)として再ミントされ、コミュニティプールに送られます。

コミュニティプールへの資金配分はガバナンス投票で決定される仕組みで、現在のシニョレッジは「10%」に設定されています。

LUNCの総供給量に影響を与える要因には

  • オンチェーンTax(0.2%)
  • トークンのインフレパラメータ(現在は0%)
  • シニョレッジ(10%)
  • マーケットスワップ(LUNC / USTCは無効、USTC / その他のステーブルコインは有効 ※トービン税0.35% )
  • 事前に決められた利益確定

などがあり、上記に加えてBINANCEなどのCEX(中央集権取引所)やバリデータなどが貢献している自主的なBurnも総供給量に影響を与えます。

コミュニティによる取り組みでは、Terra Classicチェーンを資本化してコミュニティプールに資金を供給するために「RewardPolicyパラメータの変更」が利用されています。

LUNCのBurnと再ミントが混同することによる弊害

コミュニティやBINANCEのメンバーと協議した結果『自主的なBurnとシニョリッジによる再ミントを混同すると、混乱を招くことなり、多くの人にとって望ましくないことは明らかである』という結論に至りました。

上の図はコミュニティプールへの資金提供を目的としたRewardPolicyの使用を廃止する提案です。「シニョレッジRewardPolicy」と同じ効果を得るために「Burn Ante Handler(*2)」にコアコードの変更を実装することが提案されていますが、オンチェーンのBurn Taxで直接コード化されることになるでしょう。

(*2)Ante Handler:トランザクション手数料が十分か、またそのトランザクションへのバリデータの署名がなされているかなどの一連の検証手順を実行する特別なハンドラ

現在のコードでは、オンチェーン取引の合計金額に対して0.2%の割合で課税され、このTaxは直ちにBurnウォレットに送られます。そして、エポックの終わりにRewardPolicyによって再ミントされた金額(オンチェーン税や自主的なBurnなどを含む)が計算され、そのパーセントがコミュニティプールに送金されます。

RewardPolicyを0.0にしてLUNCの再ミントを停止

今回は「RewardPolicyは0.0に設定されるべき(ショニレッジによる再ミントなし)」という提案です。

オンチェーン取引には合計金額に対して0.2%の税率が適用されます。徴収したTaxのすべてをBurnウォレットに送るのではなく、50 / 50に分割されて半分はBurnウォレットに、残りの半分はすぐにコミュニティプールに送られます。

そのため、コミュニティプールへの貢献はオンチェーンTaxのみであり、エポック終了時にミントされることはありません。

現在、50 / 50の分割についての提案が出されており「Burn Ante Handler」にハードコードされるでしょう。(可決済みのprop 5234, prop 10983, prop 11111と考え方が似ていると思うので以下を参照)

パラメータ化で変更することはできず、手動 / 自主的なBurnは「手つかず」のままの状態です。(全体の税率0.2%はパラメータの変更)

可決された提案5234の概要

「Proposal 5234」は、RewardPolicyの10%へのアップグレードを最初に導入したガバナンス提案です。

上の画像が示すようにこの提案では、BINANCEのBurnを含めて1週間で約1億9,000LUNCが送金されました。BINANCEのBurnがなければ、1週間で6,500万LUNCにまで減少していたでしょう。

「Proposal 5234」記事
【LUNC】税率引き下げ&貢献者への支援|Akujiro

この記事はAkujiro氏によって公開されたProposal:5234『税率を0.2%に引き下げ&開発者たちへの支援』の内容を日本語訳した記事となります。貢献者たちへの資金支援をし、Terra Classicの開発をすすめる提案です。

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可決された提案10983の概要

「Proposal 10983」は、RewardPolicyの報酬レートを10%から50%に変更してコミュニティプールの資金確保を目的とする提案です。

この提案が可決されたことを受けて、RewardPolicyは50%に調整されて現在に至っています。上の画像で分かるように、50%分割ではBinanceのBurnなしで1週間で約2億LUNCもの再ミントが行われました。これが提案者の意図的なものであったかどうかは別として、この金額はBINANCEのBrunを伴う10%のRewardPolicyとほぼ等しくなります。

「Proposal 10983」記事
RewardPolicyの報酬レートを「0.1 → 0.5」に変更|Proposal 10983

CosmosのバリデータであるCosmos Capybara氏が2022年12月1日に公開した記事『Parameter Change: Increase RewardPolicy rate_min to 0.5』の内容を日本語訳した記事となります。

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可決された提案11111の概要

「Proposal 11111」は「Proposal 10983」可決によって実装された50%のRewardPolicyの報酬レートを元の10%に戻すことを目的とする提案です。

BINANCEがBurnした場合に限り、毎週のコミュニティプールへの送金が同じ額に戻ります。

この提案におけるパラメータの正当性について

この提案の50 / 50分割は、手動 / 自主的なBurnを方程式から除外した上で、prop 5234とprop 11111の「BINANCEのBurnを含めて計算した場合」と、prop 10983の「BINANCEのBurnを含めずに計算した場合」のコミュニティへの貢献度を同じレベルに維持します。また、ボリュームに応じて2億LUNC ~ 3億LUNCの範囲とします。

本質的にこのガバナンス提案は、可決された3つの提案それぞれのいい部分を兼ね備えていると考えています。

YESに投票した場合

YESに投票することで、これまでに説明したBurnメカニズムをリファクタリングすることに同意することになります。

今回の「RewardPolicyを0.0に設定する提案」と、これから提出される「コードのレビュー・ブロックチェーンへの実装を承認する提案」の少なくとも2つのガバナンス提案が続きます。RewardPolicyを0より大きく調整しようとする後続のパラメータ提案が出た場合には、正当な理由がない限り「拒否権付きでNO(No with veto)」と投票されるべきです。

NOに投票した場合

NOを投票することで、現在の「Burn Ante Handler」と「シニョリッジRewardPolicy」の仕組みが、今後も実装されるものとして許容することになります。

このAgoraの投稿に対して、コメントや提案をお願いします。特に提案された変更点をデータやモデルで正当化していただけるとインパクトがあります。なお、このコード調整は次の提案の公開で予定されているため、少なくともあと数週間は投票に回されないと思われます。

>LuncLive.orgとの議論に特別な感謝を捧げます。

『Refactor Burn AnteHandler and deprecate Seigniorage Reward Policy』の原文はこちら
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