Terra Classic(LUNC)

LUNC:オンチェーン流動性の復活と担保付AFTの可能性|4lex_4sh4w

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※この記事は、Terra Classicの開発チーム「ToxicLabs」のメンバーである4lex_4sh4w氏(@4lex_4sh4w)が2023年1月11日に公開した提案『Parallel routes to a collateralized AFT』の内容を日本語訳した記事となります。

提案の要点

  • LUNCは熱心なコミュニティがある反面、オンチェーンでの流動性が非常に低い
  • 各プロダクト設計案のメリット・デメリット
  • 「エアドロップ」によってインセンティブを提供し、オンチェーンの流動性を増加させる

今後のLUNC(Terra Classic)に必要なプロダクト設計案

複数の概念実証を並列処理することは、LUNC(Terra Luna Classic) ホルダーが新しい「AFT(Algorithmic Fungible Token)」または「それぞれのアルゴリズム型 ステーブルコイン」に結集するための唯一の現実的な方法です。

複雑な製品の定義・スコーピング(*1)は、細部に至るまでの強い合意が得られていない限り、L1 ガバナンスができることでも、すべきことでもありません。それは誰もiPhoneを見たことがなく、Nokia / Blackberry / Palm Preと何が違うのか見当もつかない状態で、Appleの株主に初代iPhoneのデザインを依頼するのと同じようなことです。

(*1)スコーピング:事業計画、評価の対象、評価の枠組みなどを定めた方法を確定すること。

LUNCの主な資産である「非常に熱心なコアコミュニティ」と、主な負債である「6ヶ月以上の技術負債」「非常に弱い オンチェーン 流動性」「6ヶ月に及ぶ徹底的な議論にもかかわらず、AFTに関するコミュニティのコンセンサスが得られていない点」を考慮すると、アルゴリズム型トークンのPMF(*2)を信じているLUNCコミュニティにはいくつかの可能なアプローチがあると考えています。

(*2)PMF:Product Market Fit(プロダクトマーケットフィット)の頭文字を取ったもので、提供しているプロダクトやサービスがマーケットのニーズに合っている状態のことを指す。

私が見た限りでの選択肢と、それぞれのメリット・デメリットを説明していきます。

もし、下記の点に異論がある開発者がいたら、ぜひコメント欄に書き込んでください。

USTC

【メリット】

  • LUNCユーザーへの最も簡単なリーチ方法である
  • 他のAFTにとって困難な「中央集権型取引所(CEX)への上場」を既に実現している
  • 挑戦的な復活の物語として、新規トークンにはない大きな宣伝効果や業界の関心を得ることができる
  • 利用を促進するために、コミュニティの担保になるものを最も容易に入手できる
  • 実用的なプロダクトに必要となるスケーラビリティを実現するための最も簡単な方法である
  • Burn(バーン)の問題に対する最も信頼できる解決策
  • LUNCメカニズムを通じてコミュニティが管理する資産であるため、国有化のリスクを回避できる

【デメリット】

  • USTCの負債トークンとしての極めて不確実で問題のある法的地位、言い換えれば$ 90億の不良債権債務の一部、LUNCのステーブルコインとしての事前法的証明等を継承する
  • USTCの96%以上がBurnされた場合(私の当初の提案)、USTC保有者は自分の意思に反してリストラを強いられることに不満を持つことになり、場合によっては訴訟を起こされるリスクがある
  • 過去6ヶ月に見られたように、分裂したコミュニティの風向きに左右される可能性がある。異なる機能がコミュニティのインフルエンサーによって評価されない場合、チームはコミュニティによってランダムに特定の機能を取り、インフルエンサーの大げさな発言に従って他の機能を捨てることによって揺さぶられる可能性が高い
  • もしも上手くいかなかった場合は、LUNCユーザーがまたデススパイラルの危険に晒されることになる
  • TFL 関係者は現存する全USTCの50%を所有している。TFLの意図は明らかに前向きなものだが、法的判決やその他コントロールできない問題に応じてUSTCを捨てざるを得なくなる可能性がある。USTCの市場価値が上がれば、または、再建チームがロードマップを進展させればその可能性は高くなる。新たなAFT(USTN)とUSTCの場合のトレードオフは似ているが、USTNは、TFLがUSTCを捨てざるを得なくなった場合に生じるかもしれない法的偶発的な出来事を回避することができる

LUNC L1に最適化されたDApp

【メリット】

  • 2番目に簡単なLUNCユーザーへのリーチ方法
  • 個々のプロダクト機能に関するLUNC ガバナンス を回避し、解決策を「受け取るか放棄するか」のプロダクトとして提示することができる
  • コミュニティから大きな支持を得られる可能性が非常に高い。「コミュニティからの支持を得ること」と「最終的なプロダクト管理」のリスク・リターン比率が最も優れている。

【デメリット】

  • LUNCの技術的負債をすべて受け継ぐ
  • 税率など、ステーブルコインが過敏に反応する本質的に重要なガバナンス決定をコントロールできない
  • クロスチェーンの相互運用性に影響するL1決定を制御できない
  • LUNCの損なわれているオンチェーン流動性を引き継ぐ
  • 将来的にコミュニティのロードマップと競合する可能性があり、"国有化 "への扉を開く / L1が自身のプロダクトに競争上の優遇措置を埋め込む(例:優先製品を課税対象から外し、DApp には課税する)

別のCosmos L1に最適化されたDapp

【メリット】

  • LUNCの技術的な負債を捨て、Interchain Station などを介してLUNCのユーザーとアクセスすることができるようになる
  • USTの主要な技術的問題を回避するための決定的な最適化ができる
  • L1の機能するエコシステムから始めて、基本的な需要や採用を生み出すことができる
  • L1のオンチェーン流動性から利益を得ることができる
  • 最初の採用が軌道に乗った後、後日、独自のブロックチェーンに移植することができる(必要な場合)

【デメリット】

  • 「Go言語(CosmosのL1コア言語)」よりはるかに難しい「Rust言語」で構築する必要がある
  • LUNCユーザーへのリーチが難しい。USTC / NチームがLUNCでの同時解決を試みる場合、クオリティに関係なく低いIQの政治でごまかされる可能性がある

独自の新しいCosmosブロックチェーン上のL1

【メリット】

  • LUNCの技術的負債を捨て、Interchain Stationを介してLUNCユーザーへのアクセスを維持する
  • L1として、L1の上にあるDAppよりもはるかに大きな自己主権を持つ
  • USTの技術的な大きな問題に断固として対処することができる(例えばUSTの暴落時に発生したCEX / DEXの速度差など)
  • 「Rust言語」よりも書きやすい「Go言語」で構築することができる
  • オンチェーン経済が成長すれば、Terraのように大きな可能性を秘めた「AFTを使用する独自の国内経済」を持つことができる

【デメリット】

  • 「インフラ開発」「セキュリティ開発」「エコシステム開発」など、すでに他の場所で行われている作業をインソースすることになる
  • LUNCユーザーへのリーチが最も難しい。USTC / NチームがLUNCでの同時解決を試みる場合、クオリティに関係なく低いIQの政治でごまかされる可能性がある
  • オンチェーンリザーブを管理するために必要なオンチェーン流動性がほとんどない状態からスタートすることになる
  • Dapp開発者は通常のL1リスクに加えて、証明されていない財務概念に対するリスクを負うことになり、ビルダーの採用が妨げられる(AFTがUSTのように失敗すれば、彼らの仕事は蒸発してしまう)
  • 1つのクロスチェーンプロダクトのみに焦点を当てたブロックチェーンとして、他のチェーンへのブリッジに独特の深刻な依存関係があり、消費者の採用も妨げられる

「非Cosmos-SDKのL1やDApp」

LUNCコミュニティとの相乗効果や流通の可能性がないため、これは非推奨です。

LUNCオンチェーン流動性の復活は「エアドロップ」が鍵

コミュニティから生まれるアルゴリズム型ステーブルコインやAFTプロジェクトは、それがLUNC上にあるか他のCosmosチェーン上にあるかに関わらず、LUNCユーザーに一括で エアドロップ するのが良いでしょう(現在TFLのInterchain Stationで可能になっています)。

エアドロップは、プロダクトの新しいトークンを早い段階で取り入れる初期集団として、最も定着しそうな仮想通貨ユーザーに無料でトークンを提供する仕組みです。オンチェーンLUNC投資家(CEXにのみ参加する大多数のLUNCユーザーを除く)は、最も野心的なステーブルコイン&AFT実験への世界で最も関心のある参加者として自ら選択し投票してきました。

しかし、LUNCコミュニティは6ヶ月間もの間、このアイデアの正しい実装についてのコンセンサス(合意)を得るのに苦労しています。解決策としては「コンセンサスが形成されるまで、複数のチームがそれぞれ異なるアプローチを並行して追求すること」です。

L1TFの参加者の希望と、L1TFの6ヶ月のロードマップの透明性は賞賛に値するものです。しかし、USTC以外の取り組みがL1TFによって制裁を受ける可能性は低く、L1TFは少なくとも「数ヶ月はこの件を真剣に推進することができない」ということを意味しています。

ですから、私たちのような異なる考えを持つチームにとって最も理にかなっているのは「コミュニティ主導のUSTC回復努力をL1TFに認可させ、そのような努力に対して相互に建設的になり、同時に私たち自身の概念実証を他の場所で構築すること」です。

私たちは「オンチェーンLUNCホルダーのために広く期待されているエアドロップを優先し、オンチェーンLUNCホルダーをオンチェーン経済に参加させることで、LUNCコミュニティ、特にUSTCや他のLUNCネイティブAFTに別の不可欠なサービスを提供したい」と考えています。人々が資産をCEXからチェーン上に持ち込むインセンティブを与え、オンチェーン流動性の復活を助けることができるのです。

他のLUNCプロジェクトが配布のためにエアドロップを使う場合、エアドロップはオンチェーンユーザーに対して行われるべきで、全LUNCの60%以上を保有するCEX上のLUNC保有者から遠ざけられるべきでしょう。

LUNCチェーンは、これらのユーザーが自分の資産をオンチェーンに持ち込んでLUNC経済に参加し、DApp開発の資金を調達するようインセンティブを与える必要があります。

流動性のないCEXでのLUNC保有は「焼失したLUNCと同じ」です。LUNCは流通から取り除かれますが、オンチェーン税を支払わず、ガバナンスに参加せず、チェーンでdappsを使用しません。新しいDAppsのTVL(プロトコルに預けられた仮想通貨の価値​)を起動したり、チェーンの独立したユーザーとして表示されたりすることもありません。ブロックチェーンの本質的な価値は、これらすべてによって推進されます。

さらに、CEXはエアドロップを「誤処理」することで有名です。エアドロップされたトークンを自分たちのアカウントに残し、ユーザーに再分配しない、またエアドロップされたトークンをダンピング(低い価格での投げ売り)することもあります。

これらの「複雑さ」は現時点で明確な実績を形成しており、エアドロップ・チームがこの問題に対処するための唯一の現実的な方法は「CEXウォレットを除外すること」です。

『Parallel routes to a collateralized AFT』の原文はこちら
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