この記事は、Terra Classicで著名なインフルエンサーであるMatt’s Market氏(@MarktMatts)が2023年4月16日に公開した提案『Enhancing Community Funding: The Case for Increasing the Ante Handler TA Split to 50/50』の内容を日本語訳した記事となります。
提案の要点
- 現行の分割「10 / 90」では、持続可能な資金調達メカニズムが提供されない
- より多くの開発者やユーザー、プロジェクトをエコシステムに引き付けることができる
- 「安定した資金調達」が可能になることによって開発が活性化される
コミュニティプールへの分割割合を見直しへ
「アンテハンドラー・トランザクション(取引)Tax」のコンセプトが提案・創設された当初、資金の50%がコミュニティプールに送られ、50%が Burn(バーン)される「50 / 50」の分割を目指していました。
この分割は、ブロックチェーンコミュニティの発展と成長を支援するために慎重に計算・検討されたはずですが、現在の分割は「10 / 90」で、コミュニティプールへの送金が10%、Burnが90%となっています。
この記事では、元のビジョンに沿って、コミュニティの進化するニーズに対応するために、アンテハンドラー・トランザクションTaxの分割を再評価し「50 / 50」に増やす必要性がある理由を探り、提案しています。
LUNCの再ミント停止とコミュニティプールへの送金|Edward Kim提案
この記事は、Terra Classicの著名な開発者であるEdward Kim氏が2022年12月28日に公開した提案『Refactor Burn AnteHandler and deprecate Seigniorage Reward Policy』の内容を日本語訳した記事となります。
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現行の「10 / 90」の問題点
現行の「10 / 90」の分割は、トークンのBurnを通じてデフレメカニズムとして機能し、トークン供給を減らしその価値を高めてきました。
これはある程度効果的でしたが、懸念すべき点もあります。それは「トークンを永久にBurnすることで、全体のトークン供給が減少し、長期的に流動性や有用性に影響を与える可能性がある」ということです。
さらに、トークンのBurnにのみ依存することで、コミュニティのニーズを支援し、今後の開発努力を推進する持続可能な資金調達メカニズムが提供されないことがあります。
変更によるTerra Classicコミュニティのメリット
アンテハンドラー・トランザクションTaxの分割を「50 / 50」に増やすことによって「コミュニティプールへの資金提供を大幅に増加させることができる」という利点があります。
増えた資金の活用方法として、コミュニティやブロックチェーンエコシステムに以下のようなの利点をもたらすでしょう。
開発者・ユーザー・プロジェクトの引き付け
コミュニティプールへの50%の割り当てにより、幅広いコミュニティ主導の取り組みを支援するために活用できる「大規模な資金調達」が提供可能になります。
これらの取り組みには、継続的な開発努力、イノベーション(技術革新)の促進、コミュニティイベントの開催、コミュニティメンバーの提案の支援が含まれることがあります。
資金が増加することで、より多くの開発者やユーザー、プロジェクトをエコシステムに引き付けることができ、より活気あるダイナミックなコミュニティが生まれます。
L1(レイヤー1)開発の支援
「50 / 50」の分割による資金増加は、将来のL1(レイヤー1)開発努力を支援することができます。
L1はブロックチェーンの基盤となる層であり、拡張性、セキュリティ、機能性を確保するためには「継続的な開発と改善」が必要不可欠です。資金がより多く利用可能になることで、L1の開発努力を加速させることができ、アップデートやアップグレード、最適化がより迅速に実現されます。
これにより、ブロックチェーンにさらに多くのプロジェクトやユーザーが引き付けられ、その採用と成長が促進されます。
L2(レイヤー2)ソリューションの導入への割当
もう1つ重要な点は、増加した資金の大部分をレイヤー2(L2)ソリューションの導入に割り当てる可能性があることです。
L2ソリューションは、分散型アプリケーション(dApps)の拡張性とコスト効果の高いトランザクションのために近年人気が高まっています。ただし、dAppsをL2に導入するには「資金などの追加リソースとサポートが必要」となります。
アンテハンドラー・トランザクションTaxの50%をコミュニティプールに割り当てることで、L2の導入を支援するための大規模な部分が確保されます。
これにより、開発者がL2上でdAppsを構築・展開することが奨励され、より多様で活発なdAppエコシステムが生まれます。
安定した開発計画・予算編成が可能
さらに、アンテハンドラー・トランザクションTaxの分割を「50 / 50」に増やすことで、コミュニティ資金の予測可能性と安定性が向上します。コミュニティプールへの固定の50%割り当てにより、資金調達がより一貫性があり、信頼性が高くなります。
これにより、コミュニティの取り組みの計画と予算編成が容易になり、継続的なプロジェクトや活動を支援するための安定した資金源が確保されます。
予測可能な資金調達はコミュニティ内での信頼と自信を築くのにも役立ち、開発者たちは、自分たちの取り組みに対する「安定した資金調達メカニズム」を頼りにすることができます。
より公平なガバナンス・意思決定
最後に、アンテハンドラー・トランザクションTaxの分割を「50/ 50」に増やすことは、コミュニティ主導のガバナンスと意思決定を反映するものです。
ブロックチェーンコミュニティは、多くのケースで分散化されており、さまざまな利害関係者がエコシステムの未来を形作る上で発言権を持っています。
コミュニティプールへの資金提供を増やすことで、コミュニティはより多くのものを手に入れ、全ての関係者に対して公平であることが促進されます。
「コミュニティプールへの分割引き上げ」投票について
この提案に賛成票を投じることで、アンテハンドラー・トランザクションTaxの分割を現状の「10 / 90」から「50 / 50」に引き上げることに同意し、Burn Taxを現行の0.2%のままに据え置くことに同意したことになります。
『Enhancing Community Funding: The Case for Increasing the Ante Handler TA Split to 50/50』の原文はこちらTerra Classic:インセンティブ調整による新たな経済政策|Dfunk
Terra ClassicコミュニティメンバーであるDfunk氏が2023年3月20日に公開した提案『New Economic Policy for Terra Classic: Set of 4 Proposals to Align Incentives』の内容を日本語訳した記事となります。
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