2022年5月に起こった「LUNC(旧LUNA)」と「USTC(旧UST)」の価格暴落につながる不正取引を行った可能性があるとして、同年11月に経営破綻した仮想通貨取引所「FTX」創業者であるサム・バンクマン=フリード氏と同氏の投資ファンド会社に対する捜査が米連邦検察当局によって開始されたと伝えられています。
UST・LUNA市場操作の疑いでFTX創業者を捜査
経営破綻した仮想通貨取引所FTXの創業者であるサム・バンクマン=フリード氏と同氏のヘッジファンドに対して、2022年5月起こった「LUNC(旧LUNA)」と「USTC(旧UST)」の価格暴落につながるような不正取引を画策していた疑いで米連邦検察当局による捜査が開始されたことが「The New York Times」の報道で明らかになりました。
「The New York Times」は"事情に詳しい関係者2人の話"として、サム・バンクマン=フリード氏が両トークンの不正取引を行い価格を操作して自身が運営していた「FTX」や「Alameda Research(投資ファンド会社)」などに利益をもたらそうとした可能性を巡り捜査が開始されたと報じています。
また、この捜査は初期段階であり、検察当局がサム・バンクマン=フリード氏による不正行為があったと断定してたかどうかは現時点では不明であるとも伝えられています。
このことに対しサム・バンクマン=フリード氏は「市場操作について一切認識はなく、決して市場操作に関与したことはないのは確かだ」「私の知る限り、すべての取引は正当な投資、またはヘッジのためのものであった」と述べています。
なお、The New York Timesは検察当局とFTXの担当者にコメントを求めたものの、検察当局の担当者はコメントは控え、FTXの担当者からは記事公開までに返答が得られなかったと報じられています。
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Do Kwon氏が一連の報道内容に反応
捜査報道に対し、TFL の共同創設者であるDo Kwon氏は、サム・バンクマン=フリード氏らがLUNC・USTC暴落時に不正な取引を行っていた可能性を示唆するコメントをツイートしてます。
ツイート全文の日本語訳は以下の通りです。
私は、Genesis(@GenesisTrading)がクラッシュの直前にサム・バンクマン=フリードまたはAlameda Researchへ10億ドル分のUSTを提供したかどうかを明らかにする時が来たと考えています。LFG からの購入は「Terra DeFiのエコシステムに参加するため」であり、ペグ攻撃のための弾薬を提供するためではありませんでした。
もうひとつの疑問として、Alameda ResearchはUSTCの ディペグ が発生した日にVoyagerから9桁のビットコインを借り入れ、さらに10桁のビットコインを他の大企業に借りるよう依頼しました。これが何に使われたのか公表される必要があります。(ビットコインで大口の売りを入れてLFGの準備金に影響を与えるのが目的なのか?)
これは既に知られている事実ですが、2021年2月にUSTCに起こった大規模な通貨の圧縮は、Alameda ResearchがMIM危機の際、Curveプールを枯渇させるために5億枚ものUSTを数分で売却したことから始まりました。
暗闇の中で行われたことは明るみに出ます。
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