この記事では、LuncBurnArmy氏(@luncburnarmy)が公開しているTerra Classicの開発チーム「L1 Task Force」2023年第2四半期の活動報告を紹介しています。
ガバナンス 提案「Prop 11462」が承認されたことによってL1 Task Forceが第1四半期に続き、第2四半期のL1開発を進めることとなりました。
Terra Classic:L1開発チーム「L1 Task Force」第2四半期の活動・予算提案|Prop 11462
この記事は、Terra Classic L1開発チーム「L1 Task Force」のメンバーであるLuncBurnArmy氏が2023年3月30日に公開した提案『Joint L1 Task Force Q2』の内容を日本語訳した記事となります。
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記事の要点
- Q2期間は4月15日〜7月15日予定
- 6月14日23:00頃(日本時間)に「v2.1.1アップグレード」実装予定
- 豊富なL1開発の経験を持つ開発者がL1 Task Forceに参加
第2四半期ロードマップとマイルストーン
過去2週間で、L1 Task ForceはQ2納期の主要な目標日を見直し、以下の画像に示すタイムラインを作成しました。L1チームはガバナンス提案が通る前の週に作業を行っていたため、Q2は4月15日を開始日、7月15日を終了日とする予定です。
第2四半期の主な成果物として
- Cosmos SDK v0.45.11
- Tendermint v0.34.24
- Cosmwasm 1.1.0(パリティ)
- IBC to Kujira
- クロスチェーン流動性評価
- Tendermint to Comet BFT Assessment
などを計画しています。
スプリント#1(4月3日〜4月21日)
第2四半期の最初の2週間の主な焦点は「Cosmos SDKとTendermint Upgradesに対する追加の厳密なテストを実施すること」でした。
これにより、我々はリリース候補のステータスから、完全にテストされた製品版へとv2.0.0のリリース候補を更新することができます。
テストに追加の時間をかけるという決定は、v2.0.1がStationウォレットに多大な影響を及ぼす主要なバージョンアップグレードであるため、リスクを軽減するために行われました。
他の開発グループのメンバーである複数のコミュニティメンバーからこの要望があり、私たちはそうすることが理にかなっていると判断しました。
この間、私たちは新しいテストネット「Bajor」を作成、Stationの新しいバージョンをフォーク、自動化テストと継続的インテグレーションを有効化しました。
このフォークしたStationのバージョンはBajorテストネットに接続され、v2.0.1が稼働しています。この追加のエンドユーザーテストは順調に進行しており、大きな未予見の問題が発見されない限りおおよそ1週間以内に終了すると予想されています。
発見された任意のバグ修正は TFL(Terraform Labs)と他のオンチェーンウォレット提供者に送られます。この新しい開発とテストのアプローチはTFLの負担を軽減するのに役立つはずです。
スプリント#2(4月21日〜5月1日)
v.2.0.0のテストは順調に進んでおり、現在のフォークされたバージョンのウォレット「Station」とのAPI互換性をテストすることに主な焦点が当てられています。
5月17日に行われるv2.0.1メインネットアップグレードのためのAgora提案を近日公開する予定です。
リストされている未解決の項目の大部分は、v2.0.0アップグレードとv2.1.0アップグレード(パリティ)に関連しています。 次のスプリントは5月1日〜5月12日に行われる予定です。
スプリント#3(5月1日〜5月12日)
v.2.0.1のテストが無事終了しました。このアップグレードは、テストネットで複数の バリデータ が参加し、フルリハーサルのアップグレードが行われて無事に成功しました。
また、Stationウォレットのフォークバージョンもアップグレードに対してテストされ、こちらも成功しています。
【v2.0.1テスト結果】
前述している通り、Stationのフォーク版がテストされ、テスト結果は こちら から確認することができます。
v2.0.0へのアップグレードは成功し、テストネット上のすべてのバリデータもCherryパッチの適用を受けてv2.0.1へアップグレードしました。
ですが、v2.0.1のマイナーな再テスト中に重要な問題が見つかりました。それは、いくつかのバリデータがタグを強制的に更新する必要があるというものでした。そこで、バリデータ向けの説明書を更新しました。
そして、テストが成功したため、5月17日のアップグレードに向けてソフトウェアアップグレードガバナンスの提案がステーションに掲載されました。この提案は全会一致で可決されています。
スプリント#3のプロジェクトボードは こちら から確認することができます。オープンアイテムの大半は「v2.1.0アップグレード(パリティ)」のためのものです。
スプリント#4(5月15日〜5月26日)
第2四半期の第4スプリントでは、v.2.0.1のアップグレードが成功裏に完了し、チームの主な焦点はCosmwasmのアップグレードと移行の最終化に向けて集中していました。
【v2.1.0のテスト】
L1 Task Forceの主な焦点は現在、Cosmwasmのアップグレードを徹底的にテストすることに集中しています。Bajor-1テストネットはCosmwasm v1.1.0にアップグレードされ、既存のスマートコントラクトがテスト、そして新たなコントラクトがデプロイされました。
テスト結果は現在まで良好で、Rebel-2テストネットの「ドレスリハーサル」アップグレードに向けてスケジュール通りに進行しています。Rebel-2のアップグレードは6月1日 1:00(日本時間)に予定されています。
スプリント#5(5月29日〜6月9日)
Q2の#5スプリントでは「パリティアップグレード」が最終決定され、広範囲に渡ってテストされました。
この間、バリデータはテストネット上でリハーサルのアップグレード完了を経てガバナンスの提案を行い、現在99.5%で通過しています(投票は2日後に終了)。
【v2.1.1アップグレード】
v2.1.1.パリティアップグレードは、最終リリースバージョンとして公開され、順とともにバリデータに提出されました。
アップグレードは、ブロック高13215800(6月14日 23:00頃 ※日本時間)に行われる予定です。
【主な目標日】
- 5月15日〜5月26日:ユニットテスト、Bajor-1ネットワークのアップグレード、v2.1.0上でのスマートコントラクトテスト【完了】
- 5月31日:テストネットアップグレード予定
- 6月1日〜6月2日:Agoraアップグレード提案【完了】
- 6月14日:Columbus-5製品アップグレード予定
【追加の活動進捗】
- 5%最低バリデータコミッション(v2.1.0アップグレードに含める試み)【進行中】
- 「チェリーパッチ」重大なセキュリティ脆弱性パッチ【完了】
- 「Barberry」の重大なセキュリティ脆弱性のレビュー【完了】
スプリント#6(6月11日〜6月23日)
Q2のスプリント#6では、Cosmos SDKとTendermintのアップグレードが完了し、パリティへのアップグレードが完了し(wasmvmはv1.1.2にアップグレードされた)、5%の最低コミッションが実装されました。
これにより、第2四半期の主要な成果物の大半は実装されました。
また、既存のdAppとスマートコントラクトの所有者に対するポストプロダクションサポートを提供、Stationで発生した問題を解決するためのプルリクエストを6月17日にTerraform Labsに提出しています。(TFLによる承認/マージがまだ保留中)
【パリティアップグレード】
- パリティのアップグレードが正常に完了
まだアップグレードしていないスマートコントラクトの所有者は引き続きコントラクトを移行可能 - アップグレード後、ガバナンスページやダッシュボード、履歴など、Stationでいくつかの問題が発生
TFL Stationの最大の問題は「LUNC / USTC 間のスワップが機能しないこと」
これに対処するためのPRが6月17日に開設されTFLに送信された - Astroportはスマート コントラクトをアップグレードしないことを示した
機能を再度有効にするための代替ソリューションが必要
【追加の活動進捗】
- 5%の最低バリデータ手数料【完了】
- バリデーターとTerra Classic開発者ドキュメントの更新【進行中】
- 「Cherry Patch」重大セキュリティ脆弱性パッチ【完了】
- 「Barberry」の重大なセキュリティ脆弱性のレビュー【完了】
- 配布モジュール機能を開発した Split burntax PR #272 【進行中】
- dApp Burn Taxホワイトリスト【進行中】
- Astroportの状況評価と機能回復【完了】
【Astroport移行アプローチ】
Astroport機能を再度有効にするためにガバナンスの使用が推奨されています。アプローチは以下の通りです。
- astroport-coreリポジトリのterra_classicブランチを使用してコントラクトをアップグレード【完了】
- コントラクトの依存関係を更新し、依存関係のバンプによって発生するコンパイラ エラーを修正【進行中】
- Commonwealthでの議論後、MigrateContractProposal Plannedを使用して契約をアップグレード【予定】
- 新しいコントラクトのコードをアップロードする【予定】
- オンチェーンgovプロップを作成して、既存のコントラクトを新しくアップグレードされたコードに移行【予定】
スプリント#7(6月26日〜7月7日)
Q2のスプリント#7では、6月14日に完了したCosmwasmのアップグレード後に残っていた事項の対応に集中しており、Astroportのスマートコントラクトのアップグレードが主な焦点としています。
Q2の主な成果物には「Cosmos SDK v0.45.11」「Tendermint v0.34.24」「Cosmwasm 1.1.0(パリティ)」「IBC to Kujira」「クロスチェーン流動性評価」「Tendermint to Comet BFT」評価が含まれます。
FCDの問題を解決し、いくつかの機能強化を行いました。
https://github.com/classic-terra/fcd-classic/pull/1
https://github.com/classic-terra/fcd-classic/pull/4
そして、Genesisをエクスポートする際のWasm Keeperのエラーを解決しました。
https://github.com/classic-terra/core/issues/296
アプリ:Osmosisのフォークのインポート(将来のためにフォークをよりよく管理できるようにする)
アップグレードとフォークに対する拡張 - Issue #245 - classic-terra/core(github.com)
修正(wasm):レガシーなwasmタイプを追加しました。
fix(wasm): 従来のwasmタイプを追加 by nghuyenthevinh2000 - Pull Request #259 - classic-terra/core(github.com)
githubのワークフローをバックポートしてmainから他のリリースに変更を反映させました。
https://github.com/classic-terra/core/issues/212
【パリティアップグレード】
- TFLはステーション上のLUNC/USTC間のスワップに対応するためPRを統合し、7月9日の週の早い段階でこれを実施【予定】
- Astroportスマートコントラクトのアップグレード作業【進行中】
【追加の活動進捗】
- バリデータとTerra Classic開発者向けドキュメントの更新【進行中】
- チェリーパッチ」深刻なセキュリティ脆弱性パッチ【完了】
- 深刻なセキュリティ脆弱性 'Barberry' のレビュー【完了】
- PR #272 ディストリビューションモジュールの機能でburntaxを分割【進行中】
- dApp Burntax ホワイトリスト【作成中】 作成中
- Astroport の状況評価と機能回復【進行中】
【Astroport移行アプローチ】
Astroportの機能を再び有効にするためにガバナンスの利用が推奨されています。その方法は以下の通りです。
- astroport-coreリポジトリのterra_classicブランチを使用してコントラクトをアップグレード【完了】
- コントラクトの依存関係を更新し、依存関係のバンプによって発生したコンパイラー・エラーを修正【進行中】
- MigrateContractProposalを使用してコントラクトをアップグレードすることをコモンウェルスディスカッションに投稿【進行中】
- 新しいコントラクトのコードをアップロード【予定】
- 既存のコントラクトを新しくアップグレードされたコードにマイグレートするために、オンチェーンgov propを作成【予定】
コミュニティからの問い合わせについて
開発チームの進捗状況や今後の予定について質問がある場合や、一般的な質問がある場合は遠慮なくお問い合わせください。L1 Task Forceに関連する質問は「LuncBurnArmy(@LuncBurnArmy)」に直接連絡していただくか、支払いに関連する質問は「Terra Grants Foundation(@terragrantsf)」に連絡してください。
Terra Classic開発チーム「L1 Task Force」の活動報告|2023年第1四半期
この記事は、Terra Classicの開発者であるLuncBurnArmy氏が定期的に公開している『L1 Task Force 活動報告』の内容を日本語訳した記事となります。
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